第25話ー藤咲あかりー ページ29
「じゃあ電気消すね。」
「ん。」
佐助としばらく遊んだ後、もう暗いし麻友の家で夜を過ごすことにした。
寝る前にちらっと外を見た時、あのバケモノ達はもう居なくなっていた。あいつらがなんなのかはまだ全然分かってないけど、一目見るだけでもここに存在しちゃいけないものだというのは明らかだ。
でも、それはバケモノのせいじゃないのかもしれない。
あの時の麻友の真っ赤な目は...あれは麻友がバケモノになるっていうことを証明してしまった。
でも.....麻友が悪いなんて、そんなことは絶対にない。
だめだ。寝ようとしていたはずなのにいつの間にか考え事をしてしまっている。
傍に置いたスマホに手を伸ばして今の時間を確認する。もう少しで深夜だ。
......
..................
いつもと違ってここでは時計の針が進む音が聞こえない。代わりに璃埜の規則正しい寝息が聞こえてくる。
「ニャー」
「なんだ、佐助も起きてたのか。」
傍に寄ってきて佐助は私の腕の中に入り込もうとしてきた。
軽く腕を上げてあげると私の脇で丸くなって腕を舐め始めた。
「おーい....。私は美味しくないぞ?」
「ニャン」
何を言っても上目遣いで見つめるだけで舐めるのをやめようとはしない。
仕方なく佐助の頭を撫でてあける。
「まったく....誰に似たんだか。」
甘えん坊な猫を無視して今度こそ眠りにつく。
「おやすみ」
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作者名:詩雨・yuuhi | 作成日時:2018年8月10日 19時