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第12話−藤咲あかり− ページ14
八十歳手前の祖母と中学生の妹がこんな状況で田舎に二人きり。
東京なんかよりも安全な新潟の町。
こんなの、こんな分かりきったことは、もしかしたら考えるまでもなく既に決めていたのかもしれない。
ひと呼吸おいて璃埜に話しかける。
「あのさ、璃埜。」
「....ん....何?」
3週間前からクマが取れない目でこっちの方を見上げる璃埜。これを言ってしまうのは酷かもしれない。でも、私は行かなきゃいけないんだ.....。
「新潟に、朋美のところに行かせて。」
一瞬微笑んで、そして少し呆れたような顔に璃埜はなった。
「行かせて、じゃなくて『行こう』でしょ。」
さっきの璃埜と同じように表情を変化させて返す。
「なんだ。一緒のこと考えてたのか。」
「当たり前でしょ。そっち行った方が安全だから。途中の道のりは保証できないけど...。」
それからどうやったら安全に行けるかを考え出す璃埜。その姿を見て頼もしいと思い、やっぱりかなわないなぁとも思った。
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作者名:詩雨・yuuhi | 作成日時:2018年8月10日 19時