・ ページ18
無性に
カズの声が聞きたくなった
「でて、お願い…」
寂しくて、涙が溢れて呼吸が浅くなる
翔「A…」
「しょ…ぉ、なんで」
翔「悪いインターホン押しても出ないから
勝手に鍵使った」
"お互いじじばばになって連絡つかなくなったりしたらさ生死を確かめる為に合鍵持っとこうぜ"
素直に鍵が欲しいって言えばいいのに
言わないヘタレな翔の言葉を思い出した
「ごめん、ちょっと弱ってる…」
翔「俺のこの広い胸を貸してやろっか？」
「今日だけは借りてあげる」
翔「上から目線ですかAさーん」
「うるさい黙って貸しなさい」
翔「鼻水で濡らすなよ」
「でてないわっ」
翔「背中とかさすっちゃった方がいいです？」
「…もぉ黙って」
翔「黙ります」
10分？もっとかもしれない
翔の腕の中で静かに涙を流した
「ごめん復活した」
翔「んだよーもう少し泣いてたらその涙と鼻水で汚れた汚ねぇ唇頂こうかと思ったのに」
「だから！鼻水なんか出てないしっ」
翔「あぁ…まぁさっ
このお詫びはメシで返してくださいよ」
「ん…ありがと
今から作るよなに食べたい？」
翔「野菜炒めと味噌汁」
「もっと豪華な物じゃなくてもいいの？」
翔「Aが俺に初めて食わせてくれたメシ
久々に食いたいなぁって思ってさ」
「…あの時も私泣いてたなぁ」
翔「そう俺、なんか慌てちゃって
A気にしながら食ったから
全然味覚えてねぇの」
「あの時さ玉ねぎ切ってて目に沁みて目瞑りながら切ってたら包丁で指切って、さらに涙が出たの」
翔「んだよそんなことかよっ！
俺の当時の心配返せよ」
「知らないよ勝手に心配する方が悪いんでしょ」
翔「俺のせいかよ」
「うん…ね、ご飯作るから手離して」
翔「ごめん、無意識だったわ」
「ヘタレのくせにスケベ」
翔「はっ？」
「ふふっ冗談、翔手伝って」
翔「お礼なのに俺も手伝うの？」
「だって玉ねぎ切ってもらわないと」
翔「言っとくけど俺も玉ねぎダメだからな？」
「いいじゃん明日一緒に
泣きはらした目で出勤しようよ」
翔「やだよ笑」
「じゃぁ私は人参切ってるから
翔はフライパン出して」
言わずともフライパンが
どこにあるかわかってるのに
私の彼氏はフライパンはおろか
一度も部屋に上げたことがないって事が
おかしいのはわかってる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：和智 | 作成日時：2016年1月27日 0時
