恋唄-オフィスラブ-【all】 (ページ17)

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モモ「立てますか」

「…んー」

モモ「全く、私につかまってください」

「ごめんなさい迷惑かけて」

モモ「これでは
ご両親も悲しんでおいででしょうね」

「…ごめんなさい」

モモ「こんな事なら
仕事を今すぐにでも辞めて
早く継ぐための勉強をしたらどうですか」

「継ぐ気はないってモモちゃんが1番分かってるでしょ？その為にワタシは…」

モモ「甘えるのはいい加減にしたらどうですか
…私はあなたのそういう所が嫌いです」

どうですか、どうですかって

尋ねながら誘導してるしゃべり方が嫌い

探したってモモちゃんの好きな所なんて
ひとつもないけど。

「モモちゃんはわかってくれてると思ってた
だからワタシだってあんな事を了承したの」

モモ「ご両親との約束の日まで
あとどれくらいわかってるんですか」

「わかってる！
もう少しだから、それまでは黙って見てて
その日になったらちゃんとするから」

モモ「当たり前です
しかしその間にあの様な男性とお付き合いする事に口出すなというのは無理があります」

「…カズをあの様な、なんて言わないで」

モモ「…カズさんというんですか
私の名前は一度も呼んでくれないのに」

「なにそれ、嫉妬？
モモちゃんにそんな権利ない」

モモ「権利など必要ではないと思いますけど？
まぁそもそも嫉妬などしておりませんが」

「だったら！早くワタシの前から消えて
…約束の日がきたら逃げも隠れもしないから」

モモ「逃げても隠れても私たちは
どこまでもあなたを探します」

「…」

モモ「それでは失礼いたします
あ、最後にこれ…
あなたに似合うと思って買ってきました」

これでもかってくらいキラキラ輝くピアス

「こんな高価なもの今の私には必要ない」

モモ「たかが50万円です
それにいつだってこういう物が
あなたにはふさわしいと思います」

値段を言うところも

ピアスに何十万も使うモモちゃん

これ以上嫌いになれないっていう所まで来てる

一刻もこの場を離れたい

その一心でピアスを受け取り自宅へ急いだ

「…はぁ」

受け取ったピアスを捨てるわけにもいかず

定期的に送られるプレゼントを
保管する場所にピアスを押し込んだ

「…こんなのが欲しいわけじゃないのに」

いくらかわからない
宝石たちが詰まった箱をコツンと軽く叩いた