53 大人との練習試合 ページ6
土曜日、秋空チャレンジャーズとの試合。彼らは天馬くんの住むアパートの同居人だという。個性派揃いで、悪霊退散するお姉さんや片言を話す外国人、オネエもいる。たまたま近くでウォーミングアップをしている人がいたので、チーム名の由来を聞くと答えてくれた。藍色の髪をしていて、ハネ毛が特徴的。
「気になる？由来は俺たちの共通点なんだ」
何だろう。選手データがないから、わからない。
「みんなの名前が秋関連なんだよね。だから秋空」
話していると、思わぬ観戦者が現れた。すると、藍色髪の人は大袈裟に驚いた。円堂監督も注目している。
「ヒロトさん！」
「ヒロトじゃないか！久しぶりだな。どうしてここへ？」
「円堂くん、木暮くん久しぶり。今日は狩屋とAちゃんの初舞台だから来たんだ。観させてもらうよ」
狩屋くんの方に視線を向けると、既に見られていた。視線がバッチリと合う。フイッと顔を逸らされた。その時、藍色髪の人がグッと近寄って来て、問い詰められた。
「ヒロトさんと知り合いなの!?!どういうつながり!?」
「えっと、サッカーを指導してもらっているんです」
「ええ〜っ、いいな〜〜。ヒロトさん、俺の練習にも付き合ってくださいよぉー」
「今はAちゃん限定だよ」
ひどく残念そうな顔を浮かべている。この藍色髪の人、木暮さんというらしい。
「木暮さんこそ、ヒロトさんとはどういう関係なんですか？」
その時、円堂監督が来た。
「イナズマジャパン時代の仲間でな。俺たちは日本代表として共に戦ったんだ」
「日本代表!?!」
すごい人のオーラは感じてたけど、ヒロトさんってそんなにすごい人だったんだ。それに、"俺たち"ということは、木暮さんも、円堂監督も日本代表だったということか。もしかしたら鬼道コーチもそうだったのかもしれない。今日はこの場にいないけど。タイミング良く、隣から音無顧問が補足した。
「私と秋さんはマネージャーやってたの」
「え！お二人も関わっていたんですね」
「そう。長い付き合いなのよ私たち」
円堂監督やヒロトさん、どんな選手だったんだろう。大きな大会なら昔のデータは残っているだろう。今度探してみよう。
「さ、試合始まるぞ。頑張って来い！見てるぞ」
「はい。行って来ます」
今日はたまたま剣城くんがいないので、FWに入ることになった。
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年1月19日 13時
