桜前線 2【GO】 (ページ48)

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95　天馬くんの居場所ページ48

河川敷に行くと剣城がいた。なにか考え込んでいる。拓人くんが話しかける前に剣城は振り向いた。

「天馬がどこにいるか知っているか」
「いえ。ただ、さっきまでは河川敷にいました」
「そうか」

剣城ははっきりしない表情をしている。少し気掛かりだ。

「なにかあったの」
「＿聖帝には別の目的があるのかもしれません」
「それって？」
「...」

なにかを察している様子だったけど、それ以上は話してくれなかった。拓人くんは背を向け、顔だけ振り向いて私に言った。

「天馬の家に行こう。秋さんなら居場所を知っているかもしれない」
「うん」

木枯らし荘に着くと、小屋にサスケがいなかった。散歩に出ているのかな。夕暮れの中、チャイムを押す。秋さんが出てきた。

「あら、神童くん、Aちゃん。どうしたの？」
「天馬はいますか」
「...ちょっと待ってね」

一度扉が閉まる。しばらくして、秋さんが出てきた。

「ごめんね。天馬は今いないの」
「そうですか」

拓人くんは残念そうに俯く。玄関を開けたまま秋さんは話していた。ふと玄関の中に視線を向けると、そこには雷門の靴があった。木枯らし荘にはたしか雷門中の生徒は住んでいないはず。それに、爪先部分がすり減っていて、薄汚れている。あれは多分天馬くんの靴だ。ということは、もしかして。

「天馬くん、本当は中にいるんじゃないですか」
「えっ」

拓人くんは驚く。

「お願いします。天馬くんと話したいんです」

頭を下げる。その思いが通じたのか、家の中に通してくれた。