桜前線 2【GO】 (ページ5)

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52　初めての団体練習ページ5

円堂監督が練習メニューを伝える。

「2対2で攻撃と守備の練習だ。攻撃側がシュートを狙い、守備はそれを阻止する」
「はい！」
「最初の攻撃は、天馬と神童！守備は霧野と狩屋だ」

早速の指名により、新入りの狩屋くんに注目が集まる。今度は自分が指名されるかもしれない。練習の流れをしっかり見ておこう。ヒロトさんと1対1の練習はよくしていたけど、2対2は経験がないからちょっと不安だ。隣にいた一乃くんが狩屋くんの動きを観察し、驚いている。青山くんも同意している。たしか一乃くんは以前セカンドチームでキャプテンをしていたのだったか。

「スピードとボディバランスがすごいな」
「たしかにああいうタイプの選手は珍しいかもしれない」
「よーし、次の組いくぞ。攻撃は倉間と佐倉、守備は車田と天城だ」
「「「「はい！」」」」

名前を呼ばれた。緊張が訪れる。

「頑張ろーぜ」
「う、うん」

狩屋くんみたいに上手くできるかな。そう思いながらグラウンドに出る。その時、神童くんと目が合った。でも、すぐに逸らされた。ショック。円堂監督のボールが倉間くんに届き、前に進んだ。私と倉間くんは攻撃で、2人の先輩は守備。ボールを取られちゃいけない。

「佐倉！」

倉間くんからパスを受け取るも、目の前に大きな壁が立ち塞がった。圧倒され、そのままボールを取られてしまった。恐る恐る謝った。

「倉間くん、ごめんね」
「気にすんな。誰にだってそういう時はある」

それからも練習が続き、あっという間に日が暮れた。部員のレベルが高いこともあって、ついていくのに必死だ。部活終了後、円堂監督から発表があった。

「一部の部員には既に伝えたが、練習試合が決まった！試合は次の土曜日、相手は俺の知り合いのチームだ。そして、初戦の相手が決まった。月山国光だ」
「それって去年のベスト8ですよね」
「そうだ。強いことは間違いない」
「革命の準備は進んでいる。聖帝の候補者としてレジスタンスから響木さんが出馬した。だが、革命の成否を決める大きな鍵はお前たちだ」
「鬼道の言うように、お前たちが大きな鍵となる。革命を成功させるために頑張ろう！」
「「「「はい！」」」」

円堂監督の言葉はいつもチームの士気を高める。言葉の内容というよりは、人間性が大きな要因だと感じる。精神的支柱というか、とにかくポジティブで、励まされる。彼の笑顔はいつもサッカーの楽しさを思い出させてくれる。