87 財閥交流パーティー [1] ページ40
驚くことに、そのパーティーにはヒロトさんや鬼道監督も参加していた。久々のヒロトさんとの再会には驚くとともに、嬉しかった。
「ヒロトさん！鬼道監督！どうしてここに？」
「ここは財閥関係者が集まる交流パーティーだからね。鬼道くんは鬼道財閥の跡取り息子、そして俺は吉良財閥を継いでいる」
「ほえー。みなさん凄いんですね」
神童くんは神童財閥の御曹司である。ここは金持ちの集まりというわけか。
「政界に強大な力を持つといわれる千宮路大悟もどうやら参加しているようだな」
「父から聞いたことがあります。日本で一、二を争う権力を持っていると」
その時、美しい女性がコツコツとヒールの音を鳴らして登場した。美しい長髪が靡く。彼女は雷門財閥のお嬢様らしい。財閥は現在父の総一郎が率いているという。
「あら、私も参加しているわよ。お忘れかしら？」
「そうだったね。あれ、円堂くんは？」
「そのことについては、鬼道くんたちが知ってるんじゃないかしら」
「円堂は今、フィフスセクターの陰謀を暴くため遠征している」
「風丸くんたちが遠征に出ているのは知っていたけど、円堂くんも同行していたんだね」
「ああ」
彼女が円堂監督の妻だということは噂で聞いたことがある。先日ゴッドエデンで円堂監督が泣きながら「おいしい」を連呼して食べていたのを見たことがある。話を聞いたところ、夏未さんの料理は調味料の扱いが凄まじいらしい。当時、側で話を聞いていた天馬くんも夏未さんの料理を食べたことがあるらしく、その時は深く共感していた。家庭の料理ということは、夏未さんも自分の作った料理を食べているということだけど、彼女自身は味になにも違和感を感じないのだろうか。そうだとしたら、相当な味音痴だ。
「雷門は順調に勝ち続けているみたいだね」
「はい。ヒロトさんが指導してくださったお陰で、雷門の勝利に貢献できました」
「今の君の実力なら、もう俺がついていなくても大丈夫さ」
「そんな。私、ヒロトさんに教えてもらいたいことがまだ沢山あるのに」
「君には雷門のみんなや鬼道くんがいる。それでも学びたいことがあれば、いつでも連絡しておいで」
「わかりました」
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年1月19日 13時
