桜前線 2【GO】 (ページ36)

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83　vs ゼロ [2] ページ36

天馬くん、拓人くん、剣城の連携ゴリ押しプレーにより、試合は拮抗した。また、ミストと網で相手の化身の身動きを封じるという案はセンスがあって驚いた。考えたな。皆が自主的に動き、補い合う雷門。動いていないのは私だけだ。輝くんと錦くんのパワープレーにより、同点に持ち込んだ。すると、焦ったゼロ側はとんでもない行動をとった。

「私が出る！」

驚くことに、牙山たち教官が出場するという。一体どうなっているんだ、本当に。滅茶苦茶だ。すると、彼らに対抗するように、円堂監督たち大人もピッチに入ってきた。しかも、ラインの中に入った瞬間に子供の姿となる。自分と同じくらいの歳に見える。

「えッ...ええー!!!!」

もうなにがなんだかわからない。服も変わってるし。まるで魔法にかけられたみたいに、一瞬で姿が変わる。

「お前たち、すまん！その勝負、一旦俺たちに預からせてくれ！」
「プロリーグの意地を見せるっス！」

壁山さんの力強い技。風丸さんの軽やかな技。吹雪さんのフォームの整った格好良い技。鬼道監督たちの連携シュート。なにあれ、ペンギンが地面から生えてきた。と思ったら、飛んでる。あのペンギンの技、どこかで見た覚えがある。秋空チャレンジャーズとの試合の時だっけな。そのボールは檻に向かい、葵ちゃんを解放した。そして、最後に円堂監督の技。なんというか、迫力がすごい。

「あれは、ゴッドハンドの進化系だ！！」
「円堂さんはやっぱり凄いな」

ピッチから大人たちが退場したタイミングで、ゼロの白竜とシュウは化身ドローイングと化身の合体で立ち向かってきた。それに対して、雷門も負けていない。

「化身よ！一つになれ！」

相手が並列つなぎなら、こちらは直列つなぎ。たしかに電気については直列つなぎの方が電流は上がる。それを化身で応用するというのか。それからは、互いに全力の試合をした。観客席からのフィフスコールは止み、歓声が上がった。雷門コールに変わる。拮抗した試合の末、同点に終わった。白竜やシュウと握手をし、互いを称えあった。帰りの船に乗る頃には、天馬くんの手首には新たにミサンガが巻かれていた。シュウから貰ったという。

揺らめく海の上を渡り、私たちは稲妻町へ戻った。