桜前線 2【GO】 (ページ32)

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79　夜の会話ページ32

「ふー、食った食った」
「信助くんって結構食べるんだね」
「えへへ。おいしかったです」

「うわー、星綺麗だなー」
「星の海みたいだ」
「良い表現するじゃないか」

「円堂監督、一緒にサッカーしませんか！」
「おっ、いいな！」

「後片付けしてくれてるんだな。剣城、俺も手伝わせてくれ」
「助かります」

「こらァー！錦ー！やったなー！！」
「なんじゃ、おまんが味足りないって言っちゅうから、タバスコかけただけぜよ！」
「アタシは辛いのは苦手なんだ！！」

「今日の試合は堪えたな。体の節々が痛い」
「三国、お前無理はするなよ」

「ふわぁ...眠くなってきた」
「今日はいろんなことがあったな」
「ああ。本当にな」

「鬼道監督たち、大丈夫かな」
「あいつらなら大丈夫さ」
「うん、鬼道くんたちなら大丈夫」

「晩ご飯作る時に煙上がってたけど、フィフスセクターに位置知られて大丈夫かな」
「その時は立ち向かうまでさ」

「寝始めている奴もいるな。俺そろそろ寝るよ」
「そうだな。おやすみ、霧野」
「ああ。おやすみ」

修学旅行気分でなかなか寝付けない。目がギンギンする。外に出ると、満天の星が広がった。屋上で一人座り、寝転ぶ。下は固くて、冷たい。非日常的な空間に身を置き、意識が鮮明だ。こんな経験今までしたことない。

「寝れないのかい」

そこには吹雪さんがいた。白恋戦の時にお世話になった人だ。

「はい、つい目が冴えちゃって」
「うん。そうだよね。僕も同じさ」

彼は隣で腰を下ろした。真っ暗な中で、プラネタリウムのように小さな星の粒だけが存在を浮き彫りにする。彼との会話は楽しかった。すごく盛り上がる訳でもなく、沈黙だけが過ぎていく訳でもない、言葉を時折交わす会話。それが心地よかった。リラックスしたら段々眠くなってきて、瞼が落ちていった。

「こんなところで寝たら、風邪引いちゃうよ。そろそろ戻ろうか」
「はい...」

記憶はそこで途切れた。