桜前線 2【GO】 (ページ2)

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49　気まずい関係ページ2

とにかく無事にこっちの世界に来ることができて良かった。もうこっちには来れないとは思っていた。

翌日、神童くんは目を逸らし続けた。丁寧な対応はしてくれるものの、明らかに距離を感じる。それも仕方ないだろう。あっさりとしすぎている朝の挨拶。朝食時、サッカー部の朝練に行く時は無言。無理に話しかけるのは得策とは言えないので、時間が解決してくれるのをただ待った。朝練が終わり、教室に着席すると隣の席の倉間くんが話しかけてきた。

「お前、神童と喧嘩した？」
「えっ」
「全然話さねーじゃん。今までは仲良すぎるくらいだったのに」
「いや、まあ色々あって...」
「へー？お前らの関係ってよくわかんねー。同い年なのに、神童が敬語なのもわかんねーし」
「それはいろいろと事情があるの」

倉間くんは不思議そうな顔で肘をつきながら、視線をこちらに向けていた。

「そういや、今度練習試合するらしいぜ」
「えっ、練習試合！」
「佐倉は試合出るのか？」
「うん。出たいと思ってる」
「じゃあ、今度見せてくれよ。必殺技」

既に知られているらしい。浜野くんが話したんだろう。

「機会があれば披露するね」
「ああ。期待してるぜ」

チャイムが鳴った。号令。授業開始。今度の定期考査では赤点取らないように、真面目に授業受けなくちゃ。