102 vs 新雲学園 [1] ページ6
そして迎えた試合当日。ついに全国大会準決勝だ。試合相手は新雲学園で、会場はデザートスタジアム。
「みんな頑張ろう。革命をやり遂げるんだ」
「「「おう！」」」
ウォーミングアップをしている時、天馬くんが違う方向を見た途端に反応した。
「あ！太陽だ。サッカーしちゃいけないんじゃ...」
彼は天馬くんの友達らしい。その彼は腕にキャプテンマークを身につけていた。ある時、音無先生が大きな声を出して驚いた。パソコンの画面とその少年を何度も見比べている。
「もしかして、彼は雨宮太陽くん!?」
「有名なんですか？」
「ええ。世界クラスの実力をもつ選手よ。10年に一人の天才として有名だわ」
「そんなにすごい選手なんですね」
キリッとした顔立ち。美少年だ。才能も顔も良いなんて恵まれている人だ。あの10年に一人の天才と言われている少年と天馬くんはいつ頃どんなきっかけで知り合ったんだろう。
今回も自分は出場選手として指名を受けたが、MFとしての起用だった。雷門は4-4-2、新雲は5-4-1。フォーメーションから推察するに、新雲の防御は堅い。防御が堅いと攻撃が弱まりやすいけど、あの雨宮という選手が攻撃の全てを担うのだろうか。
試合が始まると、デザートスタジアムの機能「流砂」が稼働し始めた。雨宮という選手はその異名なだけあり、3人に囲まれても一切ボールを奪わせない実力をもっていた。雨宮くんが化身シュートを打った直後、彼は姿勢を崩して激しい息切れをしていた。化身能力を使う際の疲弊の程度というのは、選手によって個人差があるのかな。とても苦しそう。だけど、嬉しそう。
雷門はなかなか攻撃できない厳しい状況にあった。砂を避ければ敵が、敵を避ければ砂が阻む。砂に足を取られては、ボールが逸れてしまう。皆は特殊なスタジアムの機能に慣れていくにつれて、砂が崩れ始めるタイミングを見計らったプレーをし始めるようになった。
拓人くんの指示から察するに、今は守りを固めているようだ。雨宮くんの動向を見つつ、失点を増やさないためだろう。
(私がこの試合をゲームメイクするなら、どうやるだろう...)
きっと私だったら、サイドから攻撃を仕掛けるように指示すると思う。今だって、サイドの一部がガラ空きだ。新雲の選手が雨宮くんを庇っているのが見える。
そういえば、雨宮くんが化身を出す度、自分の背中がチリっとする。気のせいかな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
充滞(プロフ) - ビジュさん» イナイレ小説の作者様にそう言っていただけて嬉しいです！永劫回帰など拝読しております。コメントありがとうございます！ (2月22日 20時) (
レス) id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - 丁寧な試合シーンの描写に引き込まれました…！作者さんのサッカーの豊富な知識も伝わってきてすぐに虜になりました！お身体に気を付けてご自身のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月22日 18時) (レス) @page23 id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月15日 20時
