128 GO世界 >> 現実世界 ページ32
鴉がカアと鳴いた。夕日が見える。ここって、河川敷？サッカーボールを抱える手はいつもより大きかった。あの世界にいるような感覚なのに、自分の体だけが戻っている。ここってどっちの世界なんだろう。あれ、さっきまで何してたっけ。...そうだ、夏休みが始まって、帰っていたら急に目の前に変な人が現れて、それで...どうなったんだっけ。断片的な記憶がなかなかつながらない。
サッカーボールを抱えたまま、辺りが暗くなるまで芝生の上に座って景色を眺めていた。脳裏にはホーリーロードのことやサッカー部の思い出が次々と過ぎる。今も心はあの世界にいた。
「...さむ」
そろそろ帰ろう。ここが現実だと受け止めきゃ。私の家はちゃんとある。
今いる世界と、あの世界はやはり違う世界だ。一連の流れを経験して、違和感が確信に変わった。ここに稲妻町なんてないし、あの世界には私の家はない。文化は似ている部分はあるけど、違う部分もある。地理も同様だ。まるで二つの世界はパラレルワールドみたいで、不思議。
何度も世界を行き来していたら、だんだんと世界の区別がつかなくなる気がする。現実と夢を往復しているみたいだ。どちらが現実で、どちらが夢なんだろう？私の思っているものとは本当は逆なんじゃないか、と思うこともあった。
ここは現実。辛い世界。単調で、義務が課される世界。挑戦すれば、上から押さえ込まれる。出る杭は打たれるのである。そんな中でも生きていかなければいけない。
ガチャと玄関を開ける。真っ暗な玄関。パチ、と電気を点灯した。なにもする気が起きず、お風呂を済ませたらそのまま寝た。
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充滞(プロフ) - ビジュさん» イナイレ小説の作者様にそう言っていただけて嬉しいです！永劫回帰など拝読しております。コメントありがとうございます！ (2月22日 20時) (
レス) id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - 丁寧な試合シーンの描写に引き込まれました…！作者さんのサッカーの豊富な知識も伝わってきてすぐに虜になりました！お身体に気を付けてご自身のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月22日 18時) (レス) @page23 id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月15日 20時
