127 夏休み到来！ ページ31
「よっしゃああああ！！！」
廊下に掲示された成績優秀者のトップに自分の名前が載っていた。隣で見ていた浜ちゃんがそれを見て仰天する。
「え？佐倉が学年トップ？」
「私、やる時はやるの」
「ちゅーか、学年1位じゃん。すっげー」
中学の時はそれほど酷い成績ではなかったから、少しの勉強でカバーできた。それに、しっかり授業を聞いてきたのだからほぼ全科目満点なのは当然だ。我、成人ぞ？
話を聞くところによると、1年の学年トップは剣城らしい。不良っぽい見た目に反して、ちゃんと勉強するタイプか。
今日は夏休み前最後の登校日、全校集会がある。校長先生の長い話はどの学校でも健在らしく、この学校の例外ではなかった。生徒は退屈そうに話を聞いていたけど、私はその間、久々の学校生活感に対して恍惚としていた。大人になって社会に出ると、昔の学校生活が懐かしい。
フィフスセクターが解体されて以降、雷門中の理事長と校長が同時に交代した。悪人顔の前理事長・前校長の姿はすっかり消えている。火来校長は久々の雷門を味わうように、長々と話していた。
「＿＿安全や健康に留意して過ごしてください。9月に元気な姿で再会できることを楽しみにしています」
全校集会が終わり、とうとう夏休みが到来した。なんだかワクワクしてきた。夏休みか。いつぶりだろう。大学時代の夏休み以来かも。でも、大学の夏休みって、小中高の夏休みとはワクワク感が違うんだよなあ。大学は理系学部以外は実習がない限りそこまで忙しくないから、長期休みにそこまで特別感を感じない。小中高の夏休みはすごくワクワクする。
「それじゃ、帰ろうか」
「うん」
雷門中サッカー部は大きな大会を終え、皆に休みの機会を与えるため、夏休みの間は部活を自由参加とすることとなった。天馬は夏休みの間、故郷の沖縄に帰るらしい。
「沖縄か。たっくんは行ったことある？」
「ああ。シークヮーサーのジュースはおいしいぞ」
「へえ〜」
そんな会話をしながら歩いていると、目の前に変な服を来た少年が立っていた。歩道のど真ん中。なんか不気味。彼らは私たちを凝視している。
「...たっくん、行こう」
「ああ」
少年を避けて通る。すると、瞬間移動したようにその少年はまた立ち塞がった。
「お前たちからサッカーを消去する」
その瞬間、凄まじい頭痛が襲った。拓人くんが自分を呼ぶ声がうっすら聞こえてきたけど、気づけば意識を失っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
充滞(プロフ) - ビジュさん» イナイレ小説の作者様にそう言っていただけて嬉しいです！永劫回帰など拝読しております。コメントありがとうございます！ (2月22日 20時) (
レス) id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - 丁寧な試合シーンの描写に引き込まれました…！作者さんのサッカーの豊富な知識も伝わってきてすぐに虜になりました！お身体に気を付けてご自身のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月22日 18時) (レス) @page23 id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月15日 20時
