120 vs ドラゴンリンク [2] ページ24
全員が化身を出した!?!?
全員が化身使いだというのか。ベンチから見てもわかる、凄まじい圧迫感。あの光景をピッチの上で見ていたら、比べ物にならないくらい威圧感があるだろう。化身一体でも恐ろしい迫力があるというのに、化身11体とは。皆が息を呑む暇もなく、ドラゴンリンクは雷門に対してリンチを始めた。倉間くんが天馬くんを庇ったので、ベンチの輝くんと交代した。倉間くんは胸とお腹の間を強く打ったようで、患部を押さえながら痛みに耐えていた。
「倉間くん...」
「キャプテンが倒れたら、チームはガタガタになる。それを防いだだけだ」
新キャプテンの天馬くんを強く信頼していることを強く感じる一言だった。ところが当の本人はどこか一点を見つめて、半ば方針状態になりかけて棒立ちになっていた。天馬くんの周囲には焦った雷門選手が集まっている。その光景を見ながら倉間くんは言った。
「俺は天馬を信じる。あいつなら、やれる」
本当にそうだろうか。私は心配だ。天馬くんの様子を見ると、なにか良くない方向にいき出している気がする。天馬くんの方針はベンチメンバーにも伝わった。
「化身に化身をぶつけるみたいぜよ」
「化身に化身を...」
現状それしかないのは確かだ。化身は暴力的なほど強い。それが11体いるのだから、なにか対抗手段がないとドラゴンリンクのゴールには到底たどり着くことはできない。私は少し考えてから天馬くんのもとに向かった。その時、雷門の他の選手も近くにいた。
「化身に化身をぶつけるという話を聞いたけど、そうなるとすぐに体力を消耗すると思う」
「じゃあ、先輩はどうすればいいと思いますか」
天馬くんの焦りを感じる。早く方針を決めなきゃ、失点を返さなくちゃ。そんな思いが伝わってくる。キャプテンとして大事な冷静さに欠けているともいえる。とはいえ、私は冷静かというと、そうではない。この大舞台でそれなりには動揺している。
「ぶつかりに行くのではなく、逃げたらいい」
「逃げる...？」
「ドラゴンリンクの化身は11体。それに対して、雷門は5体。GKを除けば、10体対3体。不利なのは一目瞭然。だからこそ、徹底的に逃げない？逃げることは立派な手段だと思うの」
「そうだな、俺は賛成だ。真っ向勝負は避けた方がいい」
そう言ったのは霧野くんだった。剣城も賛成のようだ。
「先輩の意見も一理あるな。たしかに俺たちが化身を出せなくなったら、相手を止める術がなくなるぞ」
「そうだね...わかった。そうしよう」
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充滞(プロフ) - ビジュさん» イナイレ小説の作者様にそう言っていただけて嬉しいです！永劫回帰など拝読しております。コメントありがとうございます！ (2月22日 20時) (
レス) id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - 丁寧な試合シーンの描写に引き込まれました…！作者さんのサッカーの豊富な知識も伝わってきてすぐに虜になりました！お身体に気を付けてご自身のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月22日 18時) (レス) @page23 id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月15日 20時
