114 技の完成を目指して ページ18
ついにファイアトルネードDDが完成した。まさかこんな短期間で完成するなんて。天馬くんと剣城の息はぴったりだった。
「練習の甲斐があったな」
「ああ！じゃあ、次は先輩が加わるんだよね」
「そうだ。先輩、練習は進んでいますか」
「一応言われた通りの練習はしてるんだけど...」
猛練習の末、回転しながら昇ることはできるようになった。しかし、その状態からボールにスピンをかけるのが何度やってもできない。回転しながらの状態なので、ボールの調整にまで意識が回らない。
「一度途中までやってみましょう」
「わかった」
それぞれポジションにつき、天馬くんと剣城が構える。そして、それぞれ回転しながら天高く上昇した。ここまでできただけでも十分及第点だとは思うけど、ファイアトルネードTCの威力を引き出すには到底及ばない。3人のタイミングがズレて、バラバラに地面に落ちた。
「い"っッ」
「ッ...」
「うまくいかないね」
「タイミングが合っていないんだ。場数を踏むしかない。もう一度だ」
何度も、何度も再トライする。気づけばユニフォームは土で汚れていた。昨日は少し雨が降っていたから、滑りやすいし、ユニフォームが汚れやすい。着地する時に体勢を崩して膝を少し怪我したけど、マネージャーの経験を活かして自ら手当てをした。地面に落ちた時の痛みは段々と麻痺してきて、痛みを感じなくなっていった。土汚れについても気にならなくなってきた。これが慣れか、と思う。その境地に至れただけでも今日の大きな収穫だ。剣城はこのような特訓を幾度も乗り越えてきたのだと思うと、素直にすごいなと思った。
この場の誰も諦めてはいない。天馬くんも、剣城も、前を向いている。私もそうでありたい。
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充滞(プロフ) - ビジュさん» イナイレ小説の作者様にそう言っていただけて嬉しいです！永劫回帰など拝読しております。コメントありがとうございます！ (2月22日 20時) (
レス) id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - 丁寧な試合シーンの描写に引き込まれました…！作者さんのサッカーの豊富な知識も伝わってきてすぐに虜になりました！お身体に気を付けてご自身のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月22日 18時) (レス) @page23 id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月15日 20時
