111 合宿スタート ページ15
泊まる場所は木枯らし荘の一室。天馬くんの部屋だ。部屋に着いた途端、剣城が微妙な顔を浮かべる。
「狭すぎないか」
「おっ。この感じだと枕投げできるじゃん」
「先輩、それはダメです！隣の部屋に聞こえちゃいます」
「そっかあ」
拓人くんのご両親には既に外泊の許可を取ってある。優勝を目指すために合宿をすると伝えると、快くOKをもらった。
「先輩も同じ部屋なのか」
「そうだけど、なにか問題あった？」
「いや。先輩は女子だろ。同じ部屋なのは色々問題があるんじゃないか」
「あ、剣城。そこらへん全然気にしないでね。私は大丈夫だから！」
「先輩もこう言ってるし！」
「...。」
「そういえば、ベッド一個しかないけど、どうするの？」
「うーん、そうだ！じゃんけんで勝った人がベッドで寝るっていうのはどうかな」
「俺は床でいい」
「私も床でいいよ」
ベッドで寝るのは、元の持ち主である天馬くんに決定した。床に二人分の布団を敷き、寝る準備を進める。
「先輩、俺がやりますよ」
「じゃあ一緒にやろう」
「はい」
毛布をかかえた天馬くんが戻ってきた。
「他の人から借りてきた！これ剣城の分ね」
順番に入浴を済ませ、それぞれ歯を磨く。二人とも髪が垂れていると、初見では誰だかわからない。天馬くんはボブヘアになって可愛らしくなるし、剣城はV系バンドマンみたいに見える。
「先輩も髪下ろすと雰囲気変わりますね。剣城もそう思うでしょ」
「ああ。より大人っぽく見えるな」
「ほんと？嬉しい」
布団に寝転んで、例の人に返信をする。今日から合宿するんだ、と。すると、すぐに返信がきた。
楽しそうだね。僕も混ざりたいよ
ゴロゴロ寝転びながらスマホを触っていると、頭上近くで座っていた剣城から声をかけられた。
「先輩、何してるんですか？」
「友達とメールしてるの。最近イナッターでやり取りしててさ。サッカーが好きな人みたい」
「信用できるんですか、その人」
「悪い人じゃないよ。歳も同じくらいみたいだし」
「イナッターには怪しい人もいるみたいですし、気をつけてくださいよ」
「剣城は心配性だなあ」
「そろそろ電気消していいですか？」
「うん、私はオッケー」
「俺もだ」
「おやすみなさい！」
布団の中に頭を入れて、スマホを触る。途中でスリープ状態にした。寝る前にトイレ行こっと。歩くと、何かを踏んだ。
「っ"」
「あ、ごめん剣城」
「...いえ」
暗闇で目を凝らしてよく見ると、踏んだのは剣城の足だった。
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充滞(プロフ) - ビジュさん» イナイレ小説の作者様にそう言っていただけて嬉しいです！永劫回帰など拝読しております。コメントありがとうございます！ (2月22日 20時) (
レス) id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - 丁寧な試合シーンの描写に引き込まれました…！作者さんのサッカーの豊富な知識も伝わってきてすぐに虜になりました！お身体に気を付けてご自身のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月22日 18時) (レス) @page23 id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月15日 20時
