98 赤いスポーツカー ページ2
いや、流石にこんなところに普通にいるだろうか。でも、服が結構特徴的だ。見覚えがある。もしかしなくても本物かもしれない。
「...」
凝視していると、その人が振り向いた。そして、近づいてくる。予想外の行動に驚いた。
「雷門の選手か」
「あなたは...」
「私はイシドシュウジだ」
「フィフスセクターの偉い人ですよね」
「そうだ」
自他とも認める偉い人だということだ。聖帝という称号があったっけ。フィフスセクターの象徴であり、最高権力者。
「佐倉A。雷門の女子選手だったな」
「はい」
「試合の活躍は知っている。頑張っているようだな」
「...」
「実を言うと、妹が君のファンでな。少し時間をもらえないか」
すると、物陰から女子高校生が現れた。こちらをじっと見ている。
「夕香、出てきていいぞ」
「お兄ちゃんごめんね。わあ、本物のAちゃんだ」
喜ばれている。どういう状況なのかわからないけど、なんか嬉しい。こんな私にファンっていたんだ。その事実が嬉しい。
「ピアニシモ、見せてくれないかしら」
「えっ。いいですよ」
披露すると、感激したように拍手をしていた。
「わあ！本当格好いい！」
「ど...どうも」
ふと視線を移すと、近くに赤いスポーツカーの外車が停まっていた。
「あれはお兄ちゃんの車よ」
「高そうな車ですね...」
「乗ってみる？」
「え、、、」
外車。ちょっと憧れはする。でも、小さな頃から親に「知らない人の車には乗るな」と言われている。特に大人の男には気を付けろと。でも、ちょっとは乗ってみたい。
「お兄ちゃんが運転してくれるから」
「仕方ないな」
もう乗る流れになっている。展開が早すぎてついていけていない。しかし、外車に乗るなんてなかなかチャンスはないぞ。しかも聖帝の車。興味はある。たとえ乗るのが罠だとしても、後悔はない。どうする、私。
「どうする？無理にとは言わないけど」
「乗ります！」
ピアニシモをこんなに褒めてくれるなんて、良い人たちに決まってる。そう思ったから、力強くYESと答えた。
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充滞(プロフ) - ビジュさん» イナイレ小説の作者様にそう言っていただけて嬉しいです！永劫回帰など拝読しております。コメントありがとうございます！ (2月22日 20時) (
レス) id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - 丁寧な試合シーンの描写に引き込まれました…！作者さんのサッカーの豊富な知識も伝わってきてすぐに虜になりました！お身体に気を付けてご自身のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月22日 18時) (レス) @page23 id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月15日 20時
