97 部活後の夕食 ページ1
輝くんの誘いに乗り、二人でラーメンを食べに行くこととなった。部活終わりでお腹がペコペコだ。店内に入る前から醤油の良い香りが漂う。
「よく天城先輩に連れていってもらったんです。ここのラーメンはすごくおいしいですよ」
「へえ〜」
ここは雷雷軒というお店らしい。券売機で発券した紙を店主に渡すと、しばらくしてからラーメンが目の前の台にコトリと置かれた。
「ラーメン一丁」
いかつい顔立ちの店主だ。ヤンキー風の見た目をしている。食べ始めようとすると、新たな来客が見えた。あの人はたしか月山国光中の選手で、元々雷門にいた人だったはず。彼が券売機の前に立つところをじっと見ていると、輝くんに声をかけられた。
「先輩、冷めちゃいますよ」
「あ、そうだね」
ズルズルと麺を吸い込む。ほんとだ、おいしい。ラーメンセットだから、チャーハンも付属している。椅子の音がカタンと鳴った。
「ラーメン一つ」
「あいよ」
頼み方が慣れている。ここは常連客の集まりなのか。ふと視線を感じたので顔をあげると、その人はこちらを見ていた。
「お前ら...」
「南沢さんですよね」
彼もようやくこちらに気づいたようだ。
「...最近頑張っているみたいだな」
「はい。サッカーの自由は目前です」
「油断はするなよ。言われなくてもわかっているとは思うが」
「南沢さんは戻ってこないんですか。車田先輩が言っていました。また南沢さんと一緒にサッカーしたいって」
「そのうち気が向いたらな」
ラーメンを再び食べ、完食した。みんなが通い詰めるのがわかった気がする。商店街を輝くんとともに歩いた。
「最近信助くん頑張ってるみたいですよ。今日は残ってキーパーの練習をしているんだとか」
「そうなんだ」
その時、鞄から着信音が鳴った。イナッターの通知だ。
今日退院したよ。今度試合に出るんだ
退院したのか。それはめでたいな。退院したら、自由にサッカーできるようになるのかな。解散後、近くの公園のベンチに座って返信文を入力した。送信ボタンを押す。脳裏でジ・エンパイア戦が蘇る。立ち上がり、公園で一人で爆熱スクリューの真似をした。しかし、炎は出ない。ふと近くに人の存在を感じ、隣を見た。そこには赤い派手な服装の男性がいて、炎を纏いながら回転し上昇していた。シュートは打たずにそのまま地面に落ちる。たしかあんな感じの技だったな。そう思い、彼の様子を見よう見真似で回転した。
「...ん？」
ふと違和感に気づく。
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充滞(プロフ) - ビジュさん» イナイレ小説の作者様にそう言っていただけて嬉しいです！永劫回帰など拝読しております。コメントありがとうございます！ (2月22日 20時) (
レス) id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - 丁寧な試合シーンの描写に引き込まれました…！作者さんのサッカーの豊富な知識も伝わってきてすぐに虜になりました！お身体に気を付けてご自身のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月22日 18時) (レス) @page23 id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月15日 20時
