通訳ヌナと… 【Yoongi：3】

限界 -You- ページ40

今さらだけど。

考えてみれば、
私の服装はごく普通のパジャマで、
シャワーも浴びたから髪は乾かしたまんまだし、
メイクも落としたからノーメイクで。

そんな姿でユンギさんに会い、
こんな大切な話もし、
ぐちゃぐちゃな泣き顔も、
今みたいな真っ赤な顔も、
こんな近距離から見られてると思ったら…

しかも、さっきから触れていたのに、
急にリアルに感じだしたユンギさんの足。

本当に今さらなんだけど
急に恥ずかしくなって、
慌てて離れようとした。

したのに。

腕を引っ張られ、背中に手を回されると、
簡単にユンギさんに抱き寄せられ、
今度は足だけでなく、
身体もユンギさんの胸にピッタリとくっついて…

今日は何度もこうやって抱き寄せられた。

けどそのどれも。
決して痛くはなく、
でも力強く、
ちょっとその強引さが嬉しくもあって…

とにかく。

気持ちが通じ合った今は、
もう戸惑う気持ちもなくなって、
ただただ嬉しくてたまらない。


さすがに…
ユンギさんのように、
私も背中に手を回し、
キュッと抱きつくのは…
恥ずかしくてできないけど。


ユンギさんの肩に置いた手。
少しだけ指先に力を入れれば、
ユンギさんの身体を感じることができた。

肩…というか、首元というか。
その辺りにあるユンギさんの頭。

ふわふわした柔らかな髪が、
さっきから頬や耳に当たる。

鼻をすする音がすぐそこから聞こえて、
微かな息が喉に当たって、
もう…


どうしよう…
もっとギュッと、
ユンギさんに抱きつきたい。

そんな気持ちがふつふつと湧いてきて、
でもやっぱり腕は動かなくて、


「ユンギさん？」


その先に続く言葉。
何を言うのか自分でも全くわかってないけど、
名前を呼ぶと、

「うん？」

…と、
まるで寝起きのような、
気怠そうな、
そんな声色で返事が返ってきたから…


ダメだ。
私、きっともう全部ダメなんだ。

声とか手とか、
ちょっとしたそういうことでも、
もういっぱいいっぱいなんだ。


名前を呼んで、
返事までしてくれたのに。

でも続く言葉を言えなくて、
ピタッとくっついてる身体。

心臓の大きな鼓動は絶対にバレてると思うし。



限界。



そう思って身体を離そうとしたら、
簡単に離れた身体。

離れたことで目が合って、
ドキッとした瞬間…

背中にあった手が、
こめかみから髪をすくように撫で、
耳…頬…口…と、手が触れ、
ユンギさんの顔が近づいてきたから…

パッと、
思いっきり身体を離してしまった。

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