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俺のもの -Yoongi- ページ37

可哀想だと思う余裕もなく、
振り払うようにAの手から指を抜くと、
腕を掴み、背中に手を回し、
思いっきりこっちに抱き寄せた。

あいつらと違って軽いAの身体は、
倒れ込むように簡単に俺の腕の中に入ってきて。

バランスが崩れた身体。

膝の後ろに手を入れて引くと、
俺の足の上に腰を下ろす形になり、
少しだけ俺より目線が上になったA。


「ユンギさん!…ちょっ!」

赤い顔をして、
恥ずかしそうにそう言って、
俺の肩に置いた手に力を入れ、
離れようとしたけど。

だからもう、
限界なんだって。

「もう無理だから。今さら訂正とか取消しとか、
そんなのないから」

甘い告白…
なんて、とんでもない。

「できる限りのことはする。約束する。だから…もし辛くなったら、とりあえず言え。でもどうしても無理な時は…我慢しろ」

無理とか、ないとか、我慢しろとか。
甘さは微塵もねぇけど。

「Aが好きだ」

お前のことが、
本当に好きだ。

「本当に…ごめん。急に避けて、態度変えて、本当に悪かった」

そう謝ると、
限界だったAの目からまた涙が溢れた。

「もう泣くなって」

もう条件反射みたいなもんで。
勝手に手が動き、
指でまたAの涙を拭った。

「ユンギさんが泣かせるんですもん」

……

「ユンギ」

「え?」

「ユンギ」

「……」

「さん、いらねぇし」

「急には…」

「一回言ってみろって」

「無理です」

「敬語もなし」

「ユンギさん!」

いつの間にか止まってた涙。
また、俺の好きな、
ちょっと怒った口調のA。

「自分の女には名前で呼んで欲しいし、普通に話して欲しいんだけど?」

そう言うと、
何か言おうとして言葉を飲み込み、
少し赤い顔をして目を泳がせ、

「ちょっ…、とりあえず、ここから降ります!」

と、本気で降りようと動き出したから。

「わかった、わかった。急にじゃなくていいから…」

「あっ、ちょっ…!」

「動くな」



抱き寄せて、Aの肩に頭を乗せ、
首元に顔を埋めた。

鼻から入るAの匂い、
柔らかな身体も、
頬をくすぐる髪も、
もう……

全部俺のもの。


抱きしめていると
そんな気持ちが湧き上がってきた。



俺のもの…


歌詞やドラマの中だけの台詞なのかと思ってた。


まさか。


自分がそんなことを思うなんて、
Aをこう抱きしめるまで…
知らなかった。

指 -You-→←指 -Yoongi-



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設定タグ:防弾少年団 , BTS , ユンギ   
作品ジャンル:恋愛
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がほ(プロフ) - ハイリさん» こんにちは^ ^そんな風に言って下さり、本当に嬉しいです!!しかもお話の途中でのコメ!無理せず、ゆっくり最後まで読んでもらえたら嬉しいです。ユンギ、いいですよね〜。ユンギの次のお話も考えてるので、それもぜひぜひ! (2020年6月3日 19時) (レス) id: 7925a63dc6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイリ(プロフ) - すごく、すごーく気持ちが入り込んでしまい、一秒たりともこのお話から目が離せません!最近少しだけ気になり始めたユンギさんでしたが、この物語を読むことで劇的なファンへと変貌致しました(笑)まだ読み途中ですが、ドキドキと切なさの狭間で胸が苦し〜い(^^) (2020年6月3日 17時) (レス) id: 9a9ff787e6 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - YG Loveさん» こんにちは!コメありがとうございます(^^)YG…なんだかもう(T-T)YGが、BIGBANGが、これからどうなって行くのか考えるだけで不安です(T-T) (2019年8月23日 9時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
YG Love(プロフ) - 私もarmyとVIP掛け持ちしてるので気持ちはよくわかります。すごくショックでした。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 067bdd342e (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - RxSさん» こんにちは(^^)なんですって?2回目?2回も読んでもらえるなんて、本当にありがとうございます。スッと入ってくる感覚…書き手として、たまらなく嬉しいお言葉です。ありがとうございます(^^) (2019年7月24日 11時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:がほ | 作成日時:2019年3月3日 16時

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