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指 -Yoongi- ページ36

突然手を伸ばし、
俺の指を掴んだA。

こっちは向かず、指を見たまま。
人差し指と中指だけをそっと掴み、
さっきまで泣いてたくせに…
口元には小さな笑みが浮かんでる。

指先からじわっと伝わるAの体温。
さっきから思ってたけど、
俺よりAの方が体温が高く、
触れていると心地良くてたまらない。


「これで…充分です。本当に…」

「は?」

さっきから、
ただ好きだとか。
その日でいっぱいいっぱいだとか。
話すだけ、見るだけで充分とか。
これで充分だとか…

俺は結構必死で、
不安に思いながら話してんのに、
Aはなんて事ない…
言った言葉通り、
そんなのは本当に望んでないのだと、
そういう風にしか言ってこなくて。


「ちゃんと考えろよ。どこにも連れてってやれねぇんだぞ?例えば今付き合うことになったとしても、次いつ会えるかなんかわかんねぇんだぞ?お前の誕生日も、記念日も、一緒に過ごせる保証なんてねぇんだぞ?」


考えて欲しかった。
想像して欲しかった。

じゃないと、
一度幸せを味わって、
後からやっぱり無理なのだと…
そう言われるのが怖かったから…


なのに。


「だから、そんなの…本当に何も思いません。もし私が、絶対に週末は休みで、絶対にデートできて、仕事帰りにご飯に行ったり、お泊まりや旅行、記念日や誕生日は必ずその日にお祝いできて…あと…何だったっけ?あ、手を繋いだり、腕を組んだりして歩いて、連絡もすぐに返事くれなきゃ嫌なのなら……もし絶対にそれがなきゃダメなのなら…ユンギさんのこと、好きになんかなってません」


そう言って、
なぜかちょっと…
怒り気味に話したA。


「例えば今付き合えたとして…明日、会えるじゃないですか。ホテルや空港で。その後、シンガポールも一緒に行けるじゃないですか。みんなでご飯も一緒に食べれるだろうし、福岡だって、その後の香港だってタイも行くし、スタジアムツアーはまだわからないけど、きっと社内ですれ違うこともあるでしょう?」


Aの言葉を聞きながら、
頭が真っ白になった。


「無理なこと…わかってます。本当に望まないし、ユンギさん達の立場や、お仕事の邪魔になるようなこと、絶対にしません。だから…約束するから…」


ちょっと待って…

もう無理かも…


「約束…ちゃんと守るから…だから…ユンギさんのそばにいさせて下さい」

キュッと、
さっきより強く握られた指先。


もう限界。

俺のもの -Yoongi-→←ただ好き -You-



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設定タグ:防弾少年団 , BTS , ユンギ   
作品ジャンル:恋愛
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がほ(プロフ) - ハイリさん» こんにちは^ ^そんな風に言って下さり、本当に嬉しいです!!しかもお話の途中でのコメ!無理せず、ゆっくり最後まで読んでもらえたら嬉しいです。ユンギ、いいですよね〜。ユンギの次のお話も考えてるので、それもぜひぜひ! (2020年6月3日 19時) (レス) id: 7925a63dc6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイリ(プロフ) - すごく、すごーく気持ちが入り込んでしまい、一秒たりともこのお話から目が離せません!最近少しだけ気になり始めたユンギさんでしたが、この物語を読むことで劇的なファンへと変貌致しました(笑)まだ読み途中ですが、ドキドキと切なさの狭間で胸が苦し〜い(^^) (2020年6月3日 17時) (レス) id: 9a9ff787e6 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - YG Loveさん» こんにちは!コメありがとうございます(^^)YG…なんだかもう(T-T)YGが、BIGBANGが、これからどうなって行くのか考えるだけで不安です(T-T) (2019年8月23日 9時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
YG Love(プロフ) - 私もarmyとVIP掛け持ちしてるので気持ちはよくわかります。すごくショックでした。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 067bdd342e (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - RxSさん» こんにちは(^^)なんですって?2回目?2回も読んでもらえるなんて、本当にありがとうございます。スッと入ってくる感覚…書き手として、たまらなく嬉しいお言葉です。ありがとうございます(^^) (2019年7月24日 11時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:がほ | 作成日時:2019年3月3日 16時

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