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腕の中 -Yoongi- ページ24

抑えが利かなかった。

誰かにバレたら困るってよりも、
目の前にいるAに触れずにいられなかった。

聞くこともせず、
勝手にドアを押し開けて部屋に入り、
ドアノブを持ったままのAの腕を引っ張り
抱き寄せた。

前に、よろけて転けそうになったAを
同じように引っ張って抱き寄せたことはある。

けどそれは『助ける』ためだった。

今は違う。

ずっと触れたかった。
ずっとこうしたかった。

勝手に部屋に来て、
勝手に部屋に入り、
無理矢理こうやって抱きしめてんのに…

拒否られて当然。
だけど、
俺の腕の中。
抵抗することなくいてくれるA。




「…ユンギさん?」

腕の中。
Aが俺の名前を口にした時、
喉の下…鎖骨辺りに、
Aの声の響きや吐息を感じ…

抱きしめているのが
本当にAなのだと実感し…


「俺以外に…誰がいるんだよ」


誰か他に男がいるのかよ!?
っていう強気な気持ちではなく、

もう遅い?
お前の中には俺以外の奴がいるのか?
もう俺じゃダメなのか?

…っていう、すがる気持ちの方が強かった。



そして、

「ごめん…A…本当にごめん」


抱きしめて…閉じ込めて。

触れてしまえばもう二度と…

手放すことはできないってわかって…


やっと…『ごめん』…と。
その言葉を口にすることができた。



けど急に、
服を濡らしたから…と顔を離し、
同時に身体も離れたから…
離れた分、
さらに強く抱き寄せた。


この距離じゃないと無理なんだって。
少しでも離したら、
もう二度と触れられないんじゃないか…って。

Aの気持ちをまだ聞いてないから、
だから今は…
少しだって離してやることはできない。


すると腕の中でポツリ…ポツリ…と。
当然の疑問をAが口にした。

なんでこの部屋を知ってるのか。
なんでこの部屋に来たのか。

そして…

いつの間にか掴んでた
俺のトレーナーの裾。

そこにギュッと力を入れ、


「ごめんって…謝るって…何をですか?」

「全部…俺がAにしたこと全部」

「全部って…」

「急に態度変えたこと。顔背けたり、怒鳴ったり、お前を避けたこと」


そう言った瞬間
パッとAの顔が上を向き、
涙をいっぱいに溜めた赤い目で、
訴えるように見つめられ…


その目に釘付けになり、
腕の力が緩んだ瞬間…

Aが身体を少し離したと思ったら、
想いを俺にぶつけてきた。

想い -Yoongi-→←糸 -You-



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設定タグ:防弾少年団 , BTS , ユンギ   
作品ジャンル:恋愛
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がほ(プロフ) - ハイリさん» こんにちは^ ^そんな風に言って下さり、本当に嬉しいです!!しかもお話の途中でのコメ!無理せず、ゆっくり最後まで読んでもらえたら嬉しいです。ユンギ、いいですよね〜。ユンギの次のお話も考えてるので、それもぜひぜひ! (2020年6月3日 19時) (レス) id: 7925a63dc6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイリ(プロフ) - すごく、すごーく気持ちが入り込んでしまい、一秒たりともこのお話から目が離せません!最近少しだけ気になり始めたユンギさんでしたが、この物語を読むことで劇的なファンへと変貌致しました(笑)まだ読み途中ですが、ドキドキと切なさの狭間で胸が苦し〜い(^^) (2020年6月3日 17時) (レス) id: 9a9ff787e6 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - YG Loveさん» こんにちは!コメありがとうございます(^^)YG…なんだかもう(T-T)YGが、BIGBANGが、これからどうなって行くのか考えるだけで不安です(T-T) (2019年8月23日 9時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
YG Love(プロフ) - 私もarmyとVIP掛け持ちしてるので気持ちはよくわかります。すごくショックでした。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 067bdd342e (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - RxSさん» こんにちは(^^)なんですって?2回目?2回も読んでもらえるなんて、本当にありがとうございます。スッと入ってくる感覚…書き手として、たまらなく嬉しいお言葉です。ありがとうございます(^^) (2019年7月24日 11時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:がほ | 作成日時:2019年3月3日 16時

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