通訳ヌナと… 【Yoongi：3】

クッキー -Yoongi- ページ2

あれは…いつだったか…


『ユンギさんってクッキー好きなんですか？』

『は？』

『だってSHOOKYってクッキーなんですよね？』

『別に好んでクッキーにしたわけじゃねぇよ。いろいろあってそうなったんだよ』

『そうなんだ…この子だけ食べ物だし、
すごく好きだからなのかと思ってました』

控え室に転がってたBT21のクッション。
両手で顔の高さまで持ち上げ、
俺じゃなく、クッションを見つめるA。

『犬やうさぎのが可愛いって思ってんだろ』

ヌナ達に勝手にランク付けされ、
散々けなされたから皮肉っぽく言うと、

『思ってないですよ。SHOOKY可愛いですもん。
手足も付いてるし』

そう言いながら、
SHOOKYの手をパタパタ動かしたA。

『マジで？』

『え？』

いや…
キャラクターだから。

別にジミンやジョングクより
俺の方が好きって言われたわけじゃないから。

けど、

『好きですよ、SHOOKY』

その言葉に、
俺がどれだけテレて、
どれだけ平静を装おうと頑張ったか…

『どうせクッキーが好きだから…とかだろ？
A、甘いもん好きだもんな』

動揺がバレないよう、
茶化すようにそう言ったのに、

『そうですよ。クッキーを見たらSHOOKYを思い出して、SHOOKYを見たらクッキーを思い出すくらい好きです』


SHOOKYは俺じゃない。
当たり前だよ。
わかってる。

でもさ、
都合良く…そう聞こえてしまい、
だからテレるんだよ。


『どんだけ好きなんだよ』

『甘いものがないと生きていけませんもん』

『なら…また買ってやるよ、あの甘い飲み物。海外で買い物…また手伝ってくれたら』

『本当ですか？約束ですからね？』

『次はクッキー付きで』

『クッキーも？絶対に私、忘れませんから』



控え室で話した他愛ない話。

普通に話して、
普通に顔を見て、
普通だった頃。


クッキーを見たらSHOOKYを思い出し…
SHOOKYを見たらクッキーを思い出す…

本当に他愛ない、
ただのSHOOKYとクッキーの話。


Aの態度…

もう俺なんか、
Aの中にいないのかと思ってた。

気にならなくなった…

だからAは、
俺に話しかけたり、
普通に接してるのかと思ってた。

俺への仕返しや見せつけ…

何で俺…
そんな最低なこと思ったんだろ…




「ありがと。もう大丈夫だから」

先に立ち上がり、
Aの元から離れたソユンヌナ。

ここにいるわけにはいかず、
ヌナの後ろを追うしかない。

後ろ髪引かれる思い。

最後に…と見た時…


あ…

ユンギさん -You-→←鞄 -Yoongi-

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