検索窓
今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:32,796 hit

エレベーター ページ4

会社員ぱろ ar×in

▼△▼△▼△▼△▼△
大貴side



大貴「はぁ…」



やっと会社に戻ってこれた。



こんな寒い中走り回らないといけないなんて、我ながら可哀想だなあ。



そう思いながら、マフラーに顔を埋める。



すると、ふいに耳に冷たい物が覆い被さる。



大貴「っうわ⁈」



驚いて振り返ると、手を俺の前に突き出して、伊野ちゃんが笑った。



慧「ふふ、冷たいだろ?」



大貴「何、設計部さんの手がそんなに冷たい理由は?」



確か、伊野ちゃんは営業部の俺と違って、外回りもないし、外に出ることはあんまりないはずだけど。



慧「休憩時間になったから、忘れ物とりに行ってたの。大ちゃんは、相変わらず忙しそうだね?」



エレベーターの前まで来ると、運良く一階にとまっている物があったらしく、四個隣の扉が開く。



慧「乗ろうか。」



うちの会社は階数が多いから、エレベーターで行くのにもいくらか時間がかかる。



だから、同じ階にエレベーターがとまっていない限り、乗る人はあまりいない。



エレベーターよりエスカレーターが使われることが多いと思う。



エレベーターの扉が閉じると、伊野ちゃんが俺の手を掴む。



慧「手、あっためてよ」



大貴「俺の手もかなり冷たいけど。ふふ、帰るまで我慢できねーの?」



俺は伊野ちゃんの手を握り返し、首筋にキスをした。



慧「っ、」



伊野ちゃんを壁際に追い詰め、今度は唇を重ねる。



そうしてる間も、エレベーターはどんどん上がって行く。



慧「ふ、ぁ…っ」



舌を絡めると、吐息混じりの声を漏らす。




大貴「…ん、ッハァ、あったかくなった?」



慧「、あついわ。長すぎ…だよ。」



大貴「だって、まだ着いてないんだもん。俺のせいじゃないよ?」



そう行って微笑むと、伊野ちゃんは顔を赤らめる。



大貴「俺の手、あったかい?」



握っていた手を伊野ちゃんの耳につける。



慧「ふふ、うん。」



すると、丁度エレベーターが止まり、扉が開いた。



大貴「じゃあ、また帰りにね」



俺がそう言うと、伊野ちゃんは嬉しそうに手を振った。



END.

風邪ひきさん→←本番5分前



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
159人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かーこ | 作成日時:2018年12月1日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。