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参壱 勘違いしてしまう ページ32

薄くなる意識の中、微かに聞こえた声。
そのせいで、すっかり目が冴えてしまった。
でも、なんだか目を開きづらくてそのままでいると私を横にして座布団の上に頭を置いて、布団をかけてくれた。
目は開けないけど、明かりを消す音と寝息が聞こえてきたので薄っすらと目を開けると、壁にもたれかかって眠っていた。きっと少し休むつもりなのだろう。



「………俺はの後は何を言おうとしたんですか。
それに嫌うわけなんて、ないです。私が嫌われることがあったとしても」


勘違いしてしまう。
思ってしまう、彼も私に友達の情くらいは持っているのではないかと。
ほんの少しくらいは意識してくれたら、なんてことも考えてしまう。何を期待してるんだろう。


「…そろそろ区切りをつける時なのかもしれない」





時が止まってしまえばいい。切実にそう願う。
一日一日共にいられるタイムリミットを感じながら、止めようのないこの気持ちはただ膨れ上がっていく。この時はまだ幸せな方だったと思う。
この日から何カ月程か後、沖田さんが血塗れで、傷を負って帰って来た時があった。本当に心臓が止まるかと思った。
………思えばあの日から全てが変わってしまったのかもしれない。




_______________



夜番でもないのに、沖田さんの帰りが遅い。
夕方に出掛けてからもう、夜の1時だというのに帰ってこない。いつものように酔っ払っている土方さんに聞いたが、遊んでんじゃねぇのとのこと。
銀ちゃんのような人なら心配ないが、沖田さんはそんな人ではない。
剣の腕が立つ人なのは分かっているが、ほら男は閾を跨げば七人の敵ありっていうし、何かと恨みの買いやすい仕事だし……

玄関に突っ立ってるのもあれなので、縁側の引き戸を開けて座る。……そういえばこうして待ってるのって嫌がられたりする?うざがられたり…
何だか全国のお母様の気持ちが分かった気がする。
お袋の会を設立したい気分だよ。
ジャリッっという音に顔を上げれば、酷く驚いた。
ん?鉄……みたいな匂い…


「総悟さん!………一体何が…」


怪我を負い、返り血を浴びたのか隊服が赤く染まっていた。足取りは何だか重い気がする。


「…こんな夜遅くガキが何してんだ」


いつもの瞳とは違う言うなれば彼が戦闘時に見せる冷たい瞳、表情はいつもより堅い。

参弐 大切な人→←参拾 残業は嫌だ



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設定タグ:銀魂 , 真選組 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
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千の歌を歌う人(プロフ) - コロさん» 有難きお言葉です!!すごく嬉しいです!頑張ります!! (2019年7月30日 0時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
コロ - おもしろいです!!更新忙しいかもしれないけど頑張って下さいね!! (2019年7月29日 22時) (レス) id: 21d6130453 (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - サラダ油さん» ぱっちゃんはですね、主人公が付けたあだ名です!主人公は色んなあだ名を人に付けるもので…見てくれて、物凄く嬉しい限りです!!頑張ります! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - 新八は「ぱっちゃん」じゃなくて「ぱっつぁん」と呼ばれてますよ。面白いのでこれからも頑張って下さい! (2019年7月29日 18時) (レス) id: 3eb4c4dfa2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くれの | 作成日時:2019年7月24日 22時

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