下弦解体 ページ13
黒死牟「下弦が・・・解体されたらしい・・・」
私達の目の前に現れた黒死牟さんは、開口一番そう言い放った。
突然のことに、私達は固まってしまう。
A『ちょっと待ってください。どういうことですか?』
黒死牟「そのままだ・・・。あの方は・・・下弦の伍が死亡したことに・・・お怒りで・・・そのまま・・・」
千花「そんな・・・」
黒死牟「あの方は・・・下弦はすぐに入れ替わるのだから・・・不要だと・・・」
傍から見ればあまりに自分勝手な理由だ。
しかし、無惨様がそう思ってしまうのも無理はないだろう。
無惨様は最近あまり機嫌がよくないのだと思う。
自分の監視から逃れた鬼と、理由はわからないが無惨様の脅威となりうるかもしれない鬼狩り。
そんな者たちがどこかをうろついている限り、私が無惨様の立場にいたとしても、少なくともいい気分ではあるまい。
いや、だとしてもその腹いせのような形でこんな仕打ちをしてもいいものだろうか?
やはり無惨様の心内は理解できない。
まあ、理解できないほうがいいのだろうが。
逆にわかりやすい無惨様などこちらが色々とやりづらい気がする。
一般的には横暴と言われるその所業が、なんだかんだ言って一番無惨様らしいのだ。
とはいえ、下弦が解体されたなど一大事だ。
十二鬼月という位の存在が一体いつからの制度かは知らないが、かなり昔からあるもののはず。
それをいとも簡単に崩してしまうなんて、とやはり不安は募った。
千花「今までだって、何度も下弦たちは入れ替わってきたんですよね?どうして今なんでしょうか」
黒死牟「あの方の・・・お考えは・・・私には解せぬ・・・」
千花の質問をばっさり切り捨てた黒死牟さんは、それでも何か引っかかると言いたげな顔をしていた。
黒死牟「・・・何かの・・・兆候やもしれぬ・・・」
A『・・・同感です』
無論、無惨様の決定に意見などしない。
意見すれば死ぬだけだし、したいとも思わないからだ。
でも、何やら嫌な感じがする。
下弦なんかよりもずっと強い、百年と少しの間顔ぶれが変わらなかった上弦の鬼たちが倒されるだとか・・・そんなことにはならない、よね?
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緋月 - たまきさん» うまかった!(^^) (2023年2月21日 13時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» あねwwならよかった (2023年2月21日 12時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» まぁ、2つ食べれたからよかったんだけどねw (2023年2月21日 8時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» 忘れるな!?当日に忘れるな!!w (2023年2月21日 7時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» ありがとう!🐜ケーキは今朝食べた。昨日は忘れてたらしい (2023年2月20日 15時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
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