田舎育ちのハイパー野生児が世間知らず過ぎてヤバすぎる【東京卍リベンジャーズ】

#32 ページ34

A視点



「で、六本木に何しに来たんだ？」


『あ、っと……。服を新調しようと思って、友達の妹が選び出してくれたお店に行こうと』



ケータイを取り出してメモを確認しようとすると、
そこには「削除されました」の字。
は？なんで？？？
もしかしてひったくり犯に盗られた衝撃で押された？
クッソ……。すぐに見れるようにって折りたたまなかったのが仇になったか……！

とりあえず憂さ晴らしにひったくり犯を一発蹴っておく。
そうだ、お前がひったくらなきゃこんな事にはならなかった。



「……もしかしてメモ消えたのか？」


『……はい』



私の現状を察したのか、金と水色の人が声を掛けてくれる。
憐れんでくれるだけ優しいな……。ハハ。
反して、三つ編みの人は内心ニッコニコだ。
人の不幸大好きなタイプの人間か、貴様。



「行く店分かんなくなったんだろ？じゃあ、俺たちが服見繕ったげる。な♡」


『え、は？』


「じゃ、行くぞー！」





灰谷兄弟さん達のと巡見、始まる。







『あの、』


「「ん？」」



呼びかければ2人とも反応してくれた。
キレーに言葉被ったな。



『差し支えなければ下の名前で呼んでいいですか？灰谷さんだとどっち呼んでるか分からなくなると思うので』


「いーよ。俺が蘭で、こっちが竜胆。俺が兄貴、竜胆は一個下」



蘭さんは指で指しながら教えてくれた。
やっぱり蘭さんがお兄さんか。
明らかに内面は竜胆さんの方がしっかりしてると思うけど、
蘭さんからは拭い切れてないお兄ちゃんが出てる。



『歳上なんで、さん付けでいいですか？』


蘭「えー、さんくんはヤダ」


『じゃ、呼び捨てで』


蘭「えー、ノリ悪〜」



そんなこと言われても。
じゃあちゃん呼びしろとでも言うのか。



『竜胆さんはどうしますか？』


竜胆「俺は兄貴と一緒でいい。片方だけ呼び捨てじゃないの変だろ」


『じゃあ竜胆……か。歳上の呼び捨てにあまり慣れてないけど頑張ります』


竜胆「敬語もいい。呼び捨てならタメの方が楽だ」



懐広すぎません？
年齢的な上下関係を楽だからで一蹴するのは許されるのか。
まぁ、本人たちがいいって言ってるからいいのか。



蘭「そういや名前は？訊いてなかった」


『丹川 A』


竜胆「丹川？」



私の苗字に竜胆が聞き覚えがあるようだった。
なんで？初対面だよ。





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竜胆の年齢に公式との齟齬が生じたので訂正。

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