田舎育ちのハイパー野生児が世間知らず過ぎてヤバすぎる【東京卍リベンジャーズ】

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A視点



クッソ……！割としぶといな、あのひったくり犯……！！


速度は負けていないけど、多分アイツは人通りの多いところをわざと選んで人が障害物になるよう逃げているようだ。
ちょっとでも遅れをとると相手を逃す可能性がある。
追い続けていると、相手は路地に入った。





馬鹿め、路地に入ったのが運の尽きだ。
都会の路地裏は配管がたくさん張り巡らされているため、
こんなの追いかける手助けでしかない。
ちょうど良さそうな屋上の低めな建物があったから、
そこに登って上から追いかける。
建物間を飛び越えたり、障害物を登ったり飛び越えたりしていると、後ろを振り向き私がいないことに気がついたようだ。


安堵したのか走ることをやめて巾着の中身を覗こうと、
紐を解きはじめた。
何勝手に覗こうとしてるんだ不躾な野郎め。


手短な配管を使って安心して降りれる高さまで降りたら、
壁を蹴りくるりと宙返りをして着地。



『こんにちは。何人のものとってくれてるんですかねオイ』



ひったくり犯は尻もちをついて後退りをする。
逃げられたくないので胸倉を掴んでおく。
が、視線がチラチラと泳いでいる。私を見たり……後ろ？




後ろを振り向くと、金と黒の三つ編みと前髪を後ろに流した金と水色の男性が2人。

兄弟、だろうか。
顔立ちがそっくりだし、何より目を惹くのは同じ紫の目。



「ねぇ、何やってんの？」



上から降ってきたけど、と三つ編みの人が問いかけてくる。
この二人こんな状況に鉢合わせたのに平常心ですか？
何者だよ、肝座りすぎ。



『コイツにひったくられたんで、捕まえた所存です……』


「俺らは大通りを見てた。お前なんか一度も見てねぇ、何処を通って来た？」



今度は金と水色の人。
なんか嘘をつくと即論破されそうな感じがするから、
一応ほんとのことを答えておく。
この野生児みたいな行動ををあまり大声で言いたくないので、
指で上を指し小声で「……上です」とだけ答えた。



「……は？」


「それ本気で言ってる？」




本気だよ！！ごめんなさいね！！！！

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