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あなたサイド


わざわざ改札の前まで荷物を持って来てくれたとしみつ。

待合室で他愛もない話をしながら、2人で座った時間。

二人並んで座っているのに、としみつは私の手を離さなかった。

それさえも幸せ。



「そろそろかな」

としみつ「もうか」

「うん」


私の言葉で2人とも立ち上がって、改札まで歩いた。


「ありがとう荷物」

としみつ「おう」

「またすぐ会おうね」

としみつ「当たり前。今度は俺が行く」

「うん」


繋がれてた手を引っ張られて、そのまま優しく抱きしめられた。

力加減を知らないとしみつは、やっぱり少し強引だった。

さっきは浴衣から感じたのは、レンタルされたのりの匂いだったけど、
今度はちゃんとTシャツからとしみつの匂いがした。

好きだと思った。



としみつ「できればずっといて欲しかった」

「私だってできればずっといたかったよ」

としみつ「もっとAのこと知りたかった」

「馬鹿だね、これが私の全部だよ」

としみつ「阿呆だげ、全部じゃ足りないわ」



最後にそう言って、抱きしめた腕を緩めて、

私を見つめてにやっと笑ったとしみつは、本当に罪な男だと思う。

かっこよすぎると思う。



「じゃあ、行きます。」

としみつ「ん」


ゆっくり腕が解かれて体が寂しいと叫んだ。


としみつ「じゃあね」

「うん、バイバイ」


.




.




____小一時間前に付き合ったばかりの私たちだけど、

永遠に続くだろうなって何となく思ってた。


バイバイした後も振り返ると、見えなくなるまでとしみつが手を振ってくれていたことに、

嬉しさと寂しさで泣きそうになるけど、頑張って我慢した。




帰りの新幹線の中でりょうくんからLINEが来て。


『としみつさ、今日も何故かおれの家に帰ってきた。
なんか顔がにこやかで口調も優しかったから、今日の花火大会で何があったか感じ取ったよ。笑
Aが居なくなったりょうの家は寂しいだってさ』


という文章と共に送られてきた、

結局また会う約束ということでとしみつに渡した、あのくまのぬいぐるみを抱いて寝るとしみつの寝顔の写真に、キュンとした。


『としみつは寂しさでしばらく家に居座るらしい。ちょっと困るよA』

という文章も、可愛くて可愛くて。

『ごめんねりょうくん』

と一言返信しておいた。

『次会うときはとしみつの家にしてね』

と言うりょうくんの茶化しの入ったLINEに

『そうします』

と素直に返信した私は、相当惚気けていると思う。

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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時

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