〇 44 ページ44
あなたサイド
____幸せ過ぎて、花火はとっくのとうに終わっていたことに、二人して遅れて気づいた。
二人共幸せを分かち合うのに精一杯だった。
「もう終わってたね笑」
としみつ「人全然いねーじゃん笑」
二人共馬鹿だから、これからは大変になりそうだな。なんて少し思った。
でもそれも私たちらしいんじゃないかなって思えた。
浴衣屋さんで着物を返して私服に着替えて、車に乗った。
後は、名古屋駅まで送ってもらうのみ。
____これが2人の最後の時間。
「ありがとう3日間」
としみつ「改まるな笑」
思えば私達はまだ3日間しか関わってない。
今更ながらどれだけ濃い3日間だったか思い知った。
「3日間でこんなに好きになっちゃった」
としみつ「馬鹿だよな笑」
「うん、馬鹿 笑」
なんでかな、なんでこんなに落ち着くんだろう。
としみつだからこんなに落ち着くの。
誰にも感じない安心感があるのは、としみつが運命の人だから?
それを言葉にしたら気持ち悪がられるのがわかったから、敢えて言わないでおいた。
岡崎から名古屋に向かう間、だんだんと夜景が綺麗に広がっていく。
ああ、もう少しで帰りだと心を痛めつける。
としみつ「今度は俺が東京行くわ」
「来てくれるの?待ってるね」
としみつ「ん」
恥ずかしがって顔を背けるのは癖なんだね。
彼氏と彼女になった今でも、恥ずかしくなると顔をふいっと背けた。
「りょうくんはもちろんそうだし、てつやくんとか虫眼鏡くんとかにも、よろしく言っておいてね」
としみつ「わかった」
「今度は東京にも遊びに来てくださいって」
としみつ「うん、わかったけど、」
「けど?」
としみつ「…二人でいたい」
意外とデレるとしみつが可愛い。
もっとツンツンしてるのかと思ったら、意外と甘かった。
思わず隣を見ると、あからさまに照れて「はず」と小さく言ったとしみつは、付き合う前とはやっぱり変わらない。
またキュンとする私。
「私も」
そう言えば「ならいいけど」とちょっと嬉しそうに笑ったとしみつの横顔は、やっぱりかっこ可愛かった。
としみつ「辛くなったらいつでも言って」
「うん」
としみつ「飛んでく」
「うん、ありがと」
飛んできてくれるらしいとしみつ。
やっぱり好きだ。私には勿体ない。
世界で一番だと思った。
____惚気けていたら、車はもう名古屋駅の目の前まで来ていた。
573人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時