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あなたサイド
＿＿＿＿キスだ。
そう気づいたのは、唇が重なってしばらく経ってからだ。
もっと言えば、さり気なく｢A｣と呼び捨てされたのに気づいたのも、キスの後に恥ずかしそうにとしくんが目を伏せてからだ。
頭が追いつかない。
バックで花火の音が鳴り響いてるだろうに、私の耳には全然届かなかった。
目の前のとしくんが、今までに無いくらい恥ずかしそうに手の甲で口元を抑えている光景だけがサイレントで見えた。
｢…なに？｣
今更だけど、キスの前に呼ばれた返事をしてみた。
おでことおでこがくっつきそうな距離で、としくんの目を見れば、
としくんが次に何が言いたいか予想はできた。
.
.
＿＿＿＿としみつ｢好きだよ。A｣
.
.
やっぱりそうだった。
嬉しい。
素直に嬉し過ぎると、しばらく声が出ないものだ。
｢…順番逆。告白のあとキス｣
としみつ｢うるせー｣
やっと出せた声でこんな事しか言えない私は可愛くない。
｢あのね、私も…としみつ好き｣
としみつ｢知ってた｣
私が声を振り絞って言えば、満足げにそして得意げに笑っていたとしみつ。
＿＿＿＿本当に夢見たいだ。
今目の前で起きてることが夢見たい。
まだ唇に残っている感触に現実だよと囁かれなければ、夢だと思い込んでいただろう。
としみつ｢Aだから優しくした｣
｢うん｣
としみつ｢Aだから幸せに出来ると思った｣
｢うん｣
としみつ｢Aだから俺のところに来ればいいと思った｣
｢…うん｣
いつになく素直でレアなとしみつだ。
慎重に言葉を選んで言ってくるのが伝わってきた。
心臓が忙しい。
心が好きだと叫んでる。
｢会えなくなるの嫌｣
せっかく想いが通じたのに、数時間後には離れ離れになっていると思うと、心が痛くて痛くて。
思わずとしみつをぎゅっとしたくなった。
それを感じ取ったように、としみつの方から抱きしめてきた。
＿＿＿＿としみつ｢Aだから大丈夫｣
ああ、ダメ。好き。
なんでこんなに安心するんだろう。
特別何か言われてる訳でもないのに、
Aだからって言われるだけで、安心しきってしまう。
としみつの首あたりから香る微かなとしみつの匂いが、好きだと思った。
そして抱きしめられたまま、
＿＿＿＿としみつ｢付き合おう｣
＿＿＿＿｢うん｣
私たちの関係は代わった。
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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…！泣きました。 (2018年8月17日 22時) (
レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´；ω；｀) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております！ (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです！最高でした！！ (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MONO | 作成日時：2017年5月5日 19時
