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虫眼鏡サイド
____僕は今すごーく楽しい。
なんでかって、
あのアンポンタンなとしみつが初恋に落ちてしまったからだ。
としみつは凄く顔や体に出やすくて。
Aちゃんが微笑む度に、でろーんってだらしない顔をして
Aちゃんが名前を呼ぶ度に、ビクッと体を震わせて振り向いた。
なんだか凄く初々しい、可愛い。
そして今、2人が出ていったところで盛り上がる男3人。
りょう「まー、それで、どうにかしてくっつけたい訳よ」
虫眼鏡「Aちゃんにその気はあるのかね」
りょう「わかんねーんだよな、それが」
てつや「絶対ないからな」
虫眼鏡「てつやはちょっと黙って」
りょうと僕にさっきからコテンパンにされて、そろそろダメージが募ってきた頃。
てつやは黙って下唇を突き出す始末。
でもそんなてつやを放って置いて、話を続けるりょうくんは流石だと思う。
あっぱれ。そう思いながらりょうくんとてつやを交互に見てると、
____「ただいまー」
タイミング良いのか悪いのか、Aちゃんの声がした。
ドアが開くと、ほんの少し親しげになってそうなAちゃんととしみつが現れて、
としみつがきちんと全部荷物を持っているあたりに感動した。
あのとしみつがな。
「としくんありがとう持ってくれて」
としみつ「うん」
声だけ聞いたら、素っ気ねー。そう思うけど
顔は相変わらずでろーんとしていて、デレデレで。
思わず吹き出しそうになった。
AさんもAさんで、ほんのり顔を赤くして「ありがとう」なんてあざと過ぎる。
これがわざとじゃなくて本気なんだから怖いんだよなあ。
虫眼鏡「としみつ、どうだった2人きりは」
ソファに座って、キッチンでお弁当を温めるAさんをぼーっと見つめるとしみつを肘でつつくと、
うわっ!と言って驚いた。
としみつ「…なんで知ってんの」
虫眼鏡「自分が思ってる以上に顔に出てるよ」
としみつ「まじか」
僕の言葉に恥ずかしそうに顔をさするあたり、初めて見るとしみつの姿。
虫眼鏡「…で、どうだったの?2人きり」
としみつ「あー、えーと」
うるせーとか言われるのかと思ったら、慎重に言葉を選ぶ。
…恋の力すげぇ。
感動していたら、としみつは顔をパって上げて
____としみつ「幸せにしてあげたいんだよね、俺」
そう一言言った。
あー、これは参った。
相当本気だ。
そう気づいて、余計に楽しくなってしまった。
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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時