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あなたサイド
朝ごはん。
完成したのをテーブルに置くと、りょうくんは「久しぶりだな、Aの」と嬉しそうに笑ってくれて、
作ってくれてよかった。と心の底から思える。
「あー、やっぱ上手いね。Aの」
「りょうくんありがとう笑」
そんなりょうくんとは裏腹に、としくんはお皿を見つめてしばらく固まったまま。
「…としくん、どう?」
勇気を振り絞って聞くと、「あっ」と声を漏らして、
「うまいです」
食べてもないのにそう言ったとしくん。
「…えっ?」
「……あっ、食べてなかった」
「馬鹿だこいつ 笑」
…天然なのか、それともわざとなのか
際どいところだけど、抜けているのは確からしい。
その後、きちんと食べて「うまいです」と言い直す姿に思わずキュンとした。
…また、キュンとした。
キュンキュンしっぱなしで、こんなのは初めてで、気持ち悪いくらいにドキドキしていて、
…頭がおかしくなりそうで。
りょうくんに肘をつつかれ馬鹿にされながらも、私のご飯を口いっぱいにつめて「うまいです」と時々私を見て言う姿に、胸が痛くて。
「ありがとう」
思わずちょっと呟くと、ちゃんと届いたらしく、としくんは顔を赤くしてサッと目をそらした。
キュン
ほら、また、胸はキュンとした。
____お皿洗いは、としくんとりょうくんがやってくれた。
その間私はシャワーを浴びて。
髪の毛やらを全部乾かして、キッチンの方に向かうと、
「馬鹿、こっちから洗うに決まってるやん」
「それはとしくんの中の決まりでしょ?笑」
そんな鬩ぎ合いが聞こえて、思わず吹き出す。
りょうくんがこんなに友達と楽しそうに話す姿、久しぶりに見たかも。
りょうくんが出ている動画、凄く近い人だから尚更見たことなくて。
普段からこんなふうに友達と仲良くしているのかと思うと、羨ましくて、仕方なかった。
「そうだそうだ、A〜」
ふたりを見つめてると、りょうくんは振り返る。
「今日、俺ら動画の撮影あるんだよね、どうする?」
さっき考えていたところを突っ込まれ、ふっと笑みが零れた。
「東海オンエアだっけ?」
「そうそう。Aも行く?」
「行きたい!」
「えっ」
私が行きたいと言ったことに対して、「えっ」と声を漏らしたとしくん。
だけど、見たいものは見たいの。笑
その後すぐに、りょうくんに車を出してもらい、3人でその撮影場所とやらに向かった。
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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時