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としみつサイド



目を開けてそこに居たのは、好きな人。



朝から目覚めの良すぎる最高の展開に、胸がドキドキしっぱなしの俺は、慌ててもう一度寝た振りをする。
薄く目を開けた目の向こうには、俺を起こそうか迷うAさん。

一度伸ばした手を引っ込めて、「どうしよ」と小さく漏れる声に、
なんて可愛らしい人なんだ。と心の奥で呟くばかり。


「…おはよ」

「あっ」

我慢出来ずに言えば、少し驚いた顔をし俺をまじまじと見つめ、後ろに手をついて下がっていく。
「驚きすぎじゃないすか」と言ってみれば、慌てて首をぶんぶん横に振る姿に、胸が熱くて痛くて。

「ごめん、まだしばらく起きないかと思ってて」

「…そう」

緊張のあまり、全然喋れないチキンな俺が憎たらしかった。





____昨日あったばかりのAさんとの空間が、無言の空間が、

何故かこんなに落ち着くのかは俺にはさっぱり分からない。



「…お腹空かない?」


そうぼーっとしてたら、Aさんは俺に問いかけた。


「…空いたかも」

「空いたよね、私も。勝手に冷蔵庫漁っていいかな」

「いいでしょ」

「いっか」


初めての日常的な会話に胸は踊りっぱなしで、
俺の目はAさんに引き付けられたままで。

Aさんは背伸びして冷蔵庫の中を漁る。

少し背が小さいところも、本当に可愛い。


「Aさんって料理できるんすね」

思わず漏れた声に、Aさんはちらっと俺を見た。



「うん、得意なの。お料理」



そう言って笑ったAさん。

思わずドキンと大きく胸は跳ねた。

…素敵な人だな、本当に。


料理が得意だとアピールするような女性、本当は好きじゃない。嫌い。

なのに、Aさんは嫌じゃない。
むしろ、魅力的だと思った。




気づけば、またAさんを目で追ってぼーっとしてた俺。

「あっ、りょうくん出てきた」

Aさんのその声にはっと気づいてドアの方を見ると、風呂上がりのりょう。

爽やかすぎて、イケメン過ぎて、腹立つ。
ふたりきり邪魔された、腹立つ。


「え、朝ごはん?」

りょうは出てくるなり、俺をガン無視してAさんの隣に並んだ。

思わず


…Aさんとりょう。

お似合い。


そう口に出して呟いた。


…腹立つ。



「うん、目玉焼き」

「よっしゃ、Aの目玉焼き好きだよ俺」

「そうなの?嬉しいな笑」


くそ
…腹立つな。

いい感じなの腹立つ。




…とりあえず俺は、朝からときめき怒りで、感情が忙しかった。

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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時

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