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としみつサイド
____「そんなに俺とAがいるのが嫌なら泊まればいいじゃん」
そんなりょうの言葉に、うんともすんとも言えずに、帰る準備をする俺。
出会ってまだスグなのに、こんなに愛しく思ってしまう俺は相当に馬鹿だし、正気か?って感じ。
それでも一緒に居たかったんだもんな、しょうがねー。
「としみつ、A運んで」
「は!?」
「俺が運んだら嫌がるクセに笑
じゃ、俺お会計してくるね」
…何とも言えない。
また俺らを置いてどっかにいくドSなりょうの後ろ姿をぼうっと眺めて、
緊張でバックバクして震える手で、
ガラス物でも壊さないように、でも触れてはいけないような気がしてゆっくりと、
Aさんの首と足の下にそっと手をくぐらせた。
…お姫様抱っことか、生まれて初めてだし、緊張するんだけど。
「…っ、軽…」
ゆっくり立ち上がれば、思わず口に出してしまうくらい軽いAさん。
更に、あざとい香水の匂いでもなく、キツイ化粧の香りではなく、自然に甘く柔らかい柔軟剤の匂いがして、俺の鼻をかすめた。
身体が浮いたことに少し驚いたのかAさんは少し目を開ける。
「…ん」
「…おはようございます」
「…………あっ、としみつさん、ええ!!」
Aさんは少し俺を見上げて、申し訳なさそうにジタバタする。
やべー、見られたくなかったかも。余計に恥ずかしい。
「あー、恥ずかしい、もう大丈夫です。
下ろしてもらって良いですか、ごめんなさい本当に。
重いですよね、すぐ下りますんで」
慌てて下りようとするから、Aさんを落としそうになって、危機感を感じて、慌てて自分の身体に引き寄せると、Aさんはびっくりしたように動きをやめて俺を見上げた。
咄嗟にとった行動に、自分でもびっくりしたし後からドキドキし始めて、
Aさんの身体が更に密着して、俺の心臓の音、絶対聞こえてるって確信した。
「…ちゃんと、掴んで貰わないと困る」
こんなことしか言えない俺、ダサい。
恥ずかしくて、Aさんを見れない。
そう思って、なんてこと言ってんだと後悔してると、
俺のシャツの裾を少し握る気配がして、下を見ると、
「…はい」
と小さく呟いて、顔を真っ赤にしてるAさんが俺を見つめていて、
慌てて目をそらした。
____可愛い。あー、すげぇ好き。
また心でそう繰り返した。
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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時