ティラノな王子様3

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『私の分まで払ってくれてありがとう』


廉「おう」




財布を自分のカバンの中に入れる永瀬君を見ていると、毎回払ってもらっているから申し訳なくなる





デートっていうもんだからこれだけじゃ終わらないなと思い、永瀬君が何か言い出すのを待っていると


いきなり永瀬君は「ハッ！！」と言って頭を抱え出す




『どうしたの？』


廉「うわ〜まじかー」


『だからなに！？』


廉「明日提出のプリント学校に忘れてきた」


『え、森岡先生のやつ？やばいじゃん』


廉「そうやんな〜…阿部ごめんやけど学校寄ってもいい？」




上目遣いをしながら言ってくる永瀬君


私が勝負に負けたんだし、しかもラーメンまで払ってもらったから『分かった』と私が言うと永瀬君は笑顔で



廉「ありがとうー」


と言った





ラーメン屋から学校は歩いて10分ほどの距離




上を見上げるとまだそんなに暗くなくて、じめじめした風が私を包み込む




さりげなく永瀬君は道路側に回り込んでくれたり、すごく男らしい事をしてくれる……




それに比べて平野君はわがままで何かあると「Aなんて嫌いだ」とか言ってくるし


私が『じゃあもういいよ』と言うと目を犬みたいにキュルキュルさせてきたり、何でもない日にいきなり「A好きだぞ」なんて言ってくるし・・・って……







私…どんなけ平野君の事好きなのよ

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