第7話 ページ7
貴方side
緑輝「また買っていただけるのですね」
お酒をあおる端麗な横顔にそうつぶやく
高杉「あぁ。」
今日の高杉様は少し鉄の匂いがするような…
緑輝「あれ、外って雨降ってましたっけ?」
高杉「………いや。降ってなかったが、なぜだ」
緑輝「包帯、一部濡れてますよ」
高杉「…………………」
シュルルっととかれた包帯の下の左目は
もうその目に何かが映ることはないのか頑なに閉ざされていた
高杉「緑輝。」
緑輝「新しいのお持ちしましょうか?」
高杉「お前、今日の着物は赤なんだな。
昨日の緑も似合うがその赤もよく似合ってらァ。」
緑輝「………ありがとうございます?」
手にした包帯を見下ろす高杉様はいきなり着物の話を持ちかけた
高杉「……お前……目が………………」
緑輝「…え、?」
高杉「色、分からねぇのか」
緑輝「っ、…いきなりどうしました?」
高杉「これ、何色だ」
緑輝「え……………」
目線の高さまで持ち上げられた徳利に眉をしかめる
高杉「………………どうだ」
緑輝「………赤。」
高杉「違う。」
緑輝「……………生まれつきです。
私が見ている色は一色……。」
高杉「一色?」
緑輝「お医者様が言うにはこれは灰色というものらしいです」
高杉「………そうか」
緑輝「なぜ…分かったのですか?」
高杉「この包帯は血で濡れている」
緑輝「…………といいますと、赤色、でしたか」
高杉「あぁ」
緑輝「………え、高杉様お怪我が…?」
高杉「俺のじゃねぇ。
それに関してはもう触れるな。お前には遠縁の話だ」
緑輝「は、はい…」
高杉「あと、お前の着物は今日も緑だ」
緑輝「……………そうでしたか…」
高杉「だから前、箸を間違えたんだろ」
緑輝「はい…」
高杉「不便か」
緑輝「…少し困ってはいます。
だけど困ることより、その色を知りたいと思う気持ちが強いです」
高杉「そうか…。だからお前の眼は汚れてないんだな」
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ユウ - 充分こちらの作品も神作でございます!涙しか出てきません! (2021年4月16日 23時) (レス) id: 3071a230ca (このIDを非表示/違反報告)
O T A K U★★(プロフ) - 泣いちゃいました……。今も、目の前が涙で潤んでぼやけてます……。 (2019年4月3日 23時) (レス) id: 835b4d5769 (このIDを非表示/違反報告)
赤砂晋助(プロフ) - 中村千尋さん» 千尋様の楽しみの一つになれてすごく嬉しいです!これからもよろしくお願いします(^^) (2019年2月2日 21時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
赤砂晋助(プロフ) - 未央さん» コメントありがとうございます!更新遅かったりしましたがこれからも頑張ります! (2019年2月2日 21時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
赤砂晋助(プロフ) - ののこさん» コメントありがとうございます(^O^)はい、色盲ですがこれからもちゃんと向き合い、頑張ります(^^)続編も楽しんでいただけるよう頑張ります (2019年2月2日 21時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤砂晋助 | 作成日時:2018年12月30日 23時