" The Greatest " second

ごじゅーご ページ6

森くんがしばらく歩いて通路で立ち止まるから


「ここでいいの……？」


森くんがこっちを見たと思えば…



「え、怒ってる…?!」



見た瞬間わかる、怒っている

というより……



「怒っとらん」



ふくれてる………？



「ありがと、置いてくる」



さっと私から段ボールを受け取り扉を開け入っていった



どうして、森くんは拗ねているんだろう……


　


___俺の練習見てなかったやろー！





確かにほとんど見ていなかった…

それが原因？


でもあんなに話しかけてもらっているのを差し置いて森くんの練習を見るという決断はできなかった…………


とりあえず謝ろう…それがいちばん…！




ｶｯﾁｬっと扉が開いたと思えばむすっとした表情をしながら立っていた




「森くんごめんね」



「なに」



「練習見てなくて……」めちゃ見たかったけど…！



「ほんと、俺めっちゃタイミングよくあお来たーと思ったのにー
ねこさん格好良いなーとか思ってたんやろ」



「思ってなくもない」



「はっきり言うやん」



森くんは怒っているのかもしれないけど、何だか嬉しくて




「楽しそうに話てんなーって」


唇を尖らせて膨れていてかわいい……





「岡田さんにヤンキーが好きそうな子って言われたよ」



「あの人何言うてんの」



「何でも受け止めてくれそうだって」



「んーわからんでもない」



「そうなの？」



自分ではどういう意味なのかわからなかったけど森くんにはわかるのかな



「優しいだけじゃなくて、ちゃんと芯が通っている強い感じ。ま、隙だらけやけど」


驚いた

まさかそんな風に想っていてくれているなんて

強いって始めて言われた



「あとは余計なこと言われてない？」



「森くんが紳士的で優しいって言ったらめちゃくちゃ驚いてた」



「それあおが余計なこと言っとるやん…!
もう…絶対いじられる…」


前の彼女さんのことを話していなかったというのはまた今度にしよう



「そうだ、森くんこれ鍵」


返し忘れるところだった

危ない、あぶない




「それあおが持ってて」



「え」



「あおにあげる」



「じゃあ私のもあげる」



私普段から鍵2つ持ちしているの


1つ森くんにあげる



「あおの部屋またいく」


嬉しそうに受け取ってくれて、私の部屋の鍵をぎゅっと握り締めていた



「じゃあ…」



「あお」



「んっ…」



引き寄せられたと思えば優しくキスを落とされた



「だめだよっ…」いつ人が通るかわからないのに



「今日も頑張れる」



森くんの厚い胸板に静かに収まった

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