" The Greatest " second

きゅーじゅーろく ページ48

「あお、帰ろう」




「……森くん！」



夏斗くんがすぐ来るよって聞いてたのに…

森くんは全然姿を現さなくてCSの前だし、飲みに行ったりとか、練習長引いているのかな…


と考えたり




「じゃあ、俺は帰るわ」




「夏斗くん、ありがとう」




「いいって、久しぶりに会えてよかった」


ぽんって大きな手が私の頭を優しく撫でた



「では、また」



「ありがとうございました」



あれ、森くんとは初めましてじゃないの…？と頭に浮かんだけど



「桃葉に会ってきた」という言葉で疑問は消え去った




「え、？」




「もう大丈夫やから」



立てる？言われて差し出された森くんの手を握って

バッグも持ってくれて駐車場に向かう




「俺の女に何してくれてんねん！って言うた」




「本当に…?!」




「桃葉がどういう奴かはよく知ってるし、はっきり言うたからもう気にしなくてええ」




「ごめんね、」




「考えすぎてあおが出て行かなくてよかったわ」


頭を過ったこともあったなんて言えない…



「俺あおいないと生きていけんから」



「ふふ、私もだよ」



森くんのことを想っても、桃葉ちゃんのこともよく考えて、でも離れられないって選択をできたのは成長かな




「俺、あおが話してくれないのは頼られてないとか気遣われているって思ってたけど」



そっか…また自分から話す前に森くんに伝わってしまったんだ…

でもどうして…？



「それがあおやもんな」



「え？」



「じっくり考えて自分の答えをだして、それを実行するそれがあおって」


夏斗さんに言われた



それでやっとわかった、あおはそういう性格だから安易に話して、頼ってと言っても話してはくれないって




「だから、辛いとき、悲しいとき話さなくていいから抱き締めさせて」




「森くん…っ」




「泣いてん？」




「だって、私いつも話せなくて、」


森くんが頼りないなんてことはない

けど…やっぱり森くんをいちばんに考えてしまう性格は直らなくて


きっとこれからもこういうことがあるかもしれない
相談してくれないと落ち込ませてしまうのも辛いって思っていたから…


私たちなりのいや、私のための解決の仕方を考えてくれて嬉しい





本当に嬉しくて車を降りてすぐ森くんに後ろから抱きつきにいった




「従兄弟でも妬くから」



「私、桃葉ちゃんと会ったって聞いて妬いた」



「今日は夜更かしやなあ」



「だめだよ、CSだから…！」



「言うと思った」

きゅーじゅーなな→←きゅーじゅーご

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す