" The Greatest " second

はーちじゅーろく ページ38

「ふふ、わざわざありがとうございます〜！なの花です」



「森です…」



森くん、顔がにやけてます。



「あおのずっーと大好きな森くんですね〜怪我大丈夫ですか？」



大丈夫っす、って控え気味に話す森くん

なのちゃんはにやにやが止まらない模様




「あ、これよかったら…」気になっていた紙袋をなのちゃんに手渡した

手土産だったとは…言ってくれれば私も一緒に選んだりできたのに




「えー！ありがとうございます！」


早速中を覗いてえ?!まって、と大きなリアクションを見せて取り出したのは


バッティンググローブのようなものとボールだった



「栗山さんの……？」私が先に声に出して言ってしまった



「あおから栗山さんのファンって聞いてたから」




「やばい……やばすぎる………」




「栗山さん小さい頃からずっと応援してくれてる子って覚えてましたよ」




「えっ、本当むり……泣きそう、泣くわっ」




にこにこ泣いているなのちゃんはめちゃくちゃ可愛いかった




森くん私がちらっと話していたなのちゃんの話しっかり聞いて覚えてくれていたんだ

なのちゃんが喜んでくれると思って用意していたなんてやっぱり森くんは凄く素敵な方…






「森神すぎる…あ、森って言っちゃった」




「全然いいっすよ」



同い年だから呼び捨てでもおかしくないけど…

そういえばふたりとも敬語なの不思議

ふたりともあまり敬語を遣っているところを見たことないから…





「いやいや…！だって結婚するんでしょ〜？ちゃんとあおの旦那さんって呼びますよ」




「あおの、旦那さん……俺そう呼ばれるんか、えぐ」



森くんが俯きながらやばい、それはやばすぎるっと呟いている

あおの旦那さんは結構私も悶えてしまう……




「え、じゃあ私外では森くんのこと、う、うちの旦那…みたいな呼び方するの……？」





「そーやん！俺も奥さんが〜とかやっと言える！」




「……………奥さん、呼んでね、たくさん呼んでね」




「呼ぶ！ヒーローなったらめっちゃ言う」



森くんも私もこれからなるであろう形を想像してにやにや…

ふふと笑い合って、






「あの、私のこと忘れてない？」



本当お似合いだね、そんな風に言われて




こうやって森くんと人に会うのはお互いの両親以外ではなかった





"お似合い"なんて言われたのはじめてだ

はーちじゅーなな→←はーちじゅーご

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す