霖の唯一の契約者

１６話　約束 ページ17

雪と千代が去っていって

『さて…あなたには言いたいことがあるの…』

姫「な、何…」

『まず、あなた達の処分はこれから来る警備隊に処理してもらうから…そして千代の家系のことだけど』

姫「っ!!…やっぱりあの子」

『それ以上しゃべったらあなたの自慢の顔つぶすよ』

姫「ひっ…」

『…わかったようね、このことを他のやつに喋ったら私達が殺してしまうかもね…』

姫「っ…どうしてヴァンプでもないあなたがあの子をそこまでかばうの」

『…私は大好きな人達を守りたいから、この血がどうなろうと』

そう言いながら血が出ている方の腕を抑えていると姫小路がさらに驚いた顔で見てきた

姫「っ!?それてあなた…もしかして!?」

『…もう行く、貴士先輩あとはお願いします』

貴「!?あ、あぁ…」

二階で隠れていた貴士先輩に言ってからAが去って

貴「僕は…無力だな…」

ピッ

貴「せめて後始末くらいはさせてもらおう」

「体長、突入準備完了です」

オークション会場から去っていってから

『……』

(姫「っ…どうしてヴァンプでもないあなたがあの子をそこまでかばうの」)

(『…私は大好きな人達を守りたいから、この血がどうなろうと』)

(姫「っ!?それてあなた…もしかして!?」)

『はぁ…』

先ほどの会話で嫌なことを思い出してしまった

『また守れないかと思った…』

あの日の記憶がさかのぼっていた

(もしあの時雪がいなかったら…)

そんな事を考えていたら

霖「A？」

『霖…』

霖「ど、どうしたの!?ケガしてるよ…血も出てるし！」

ギュッ

霖に抱きついた

霖「A？」

『…また同じことになるかと思った…約束したのにっ…』

千代のように涙が出てきた

霖「…A」

ギュッ

霖が私を抱き返してくれた

霖「Aは約束守ろうとしてくれたんでしょ？ぼくはそれだけで嬉しいよ」

『けど…』

霖「A…これ以上自分を犠牲にしないで」

『霖…』

霖「ね？」

『…うん』

霖「腕の血は部屋に行ってからにしよ…！それで、今日は一緒に寝よ？」

『うん…』

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