32. ふうせん ページ32
＿
ぷかぷか、浮かぶ風船にシッマは夢中である。
「シッマ、あれは売り物じゃないから」
そう言っても、聞く耳持たず。
すでにあっちでお菓子買ってあげるよ＿名付けてお菓子作戦と、
帰ったら好きな絵本読んであげる＿絵本作戦は失敗に終わった。
ただ黙って浮かぶ風船を見つめているのだ。
「どうしたの？…ってあぁ、あの風船を見てるのかい？」
「あ！そうなんです、すみません」
「いやいや！もうじき風船全部撤去する予定だったから、
僕、このうさぎさんお家に連れて帰ってくれるかい？」
「！」
定員さんらしき人は、風船をシッマに手渡してくれる。
嬉しそうにシッマは何度もこくこく頷いて、
「ありがと！！」
とお礼を言った。
「おねえさんもいるかい？」
「いえ、私は…」
「いっしょ！」
「あ」
びし、とシッマが指を差す先には、青色のうさぎさん。
ちなみに、シッマが持っているのはピンク色のうさぎさん。
「お揃いで持って帰りな」
「わ、ありがとうございます」
仲良くて羨ましいねえ、なんて呟く定員さんから、
風船を二つ貰った私達。
そのまま帰宅する途中で、公園によると見慣れた姿の二人。
「おぉ、可愛らしいの持ってんね」
「なんやそれ！！」
日陰で欠伸を溢すらっだぁと、
風船に興味津々のゾム君。
「ええやろぉ」なんて自慢するシッマ。
そのままゾム君とシッマは2人で追いかけっこを始める。
「しっま、風船持っとこうか？」
「や！このままあそぶ！」
風船がおててから離れそうで不安だよ…。
そう思いながら、らっだぁの隣の日陰で一休み。
「この風船も貰ったんだ」
「かわいいでしょ。しっまとお揃い」
「いーじゃん」
ほんのり暖かい今日は、
かなり眠気をさそってくる。
ウトウトしている最中、
シッマの声で目が覚める。
「ね”ーじゃん”っ！」
「うぇ！？シッマ！？！？」
うるうるの大きな瞳で、
今にも大声を上げて泣き出しそうな手前。
ゾム君が不機嫌そうに、そっぽを向いたまま
「おれわるくないもん！」
とらっだぁに縋る。
「どうしたの？」
「うさぎさん…き、のぼってん」
「木に登った？？？？」
ぐいぐい、と引っ張られて公園中心へと向かう。
そこで木の枝に引っかかるピンク色の風船を見つけた。
ぴょんぴょんと、何度か跳ねてみるものの、
風船には届かない。
そこで、更にシッマの顔に絶望の文字が見える。
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のんたん(プロフ) - 主様の作品大好きです！すごい引き込まれるし面白くて大満足です！少し垣間見える闇がたまりません。のんびり待つので更新は主様のペースでお願いします！定期的に見に来て余韻に慕ってます！！ (10月15日 11時) (
レス) @page38 id: d906a8bcb0 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - え…これさ、夢主ちゃんの親、疑っていいやつ…？ (10月5日 18時) (レス) @page35 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 見てる途中に見れなくなってしまいました。パスワードの解除待ってます (8月22日 23時) (レス) @page8 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
リトマス紙 - 主様のこちらの作品最高すぎます…！！丁度今一気見させていただいたところなんですがなんとも言えない余韻に浸ってます…！！笑笑のんびり待つので主様もゆっくりご自分のペースで更新、頑張ってください！！好きです！！() (7月26日 5時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - ｸﾞｯﾌｯ(照れるemがすっげぇかわちぃ)(*´’Д’) : ;* : ;ｶﾊｯ (7月2日 16時) (レス) @page14 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
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