4. ケチャップ ページ4
＿
ほかほか出来立てのオムライスが6人分。
手洗いをもう一度済ませ、席につく。
「いたたいます！！」
ばぐばぐばぐ、と凄い勢いで食べ進めるゾム君。
食べこぼしが凄いため、
スプーンを貸してもらい口へ進める。
「はい、あーん。熱くない？」
「あついの、へーきやもん！」
その割には、はふはふしながら食べるゾム君が可愛すぎて。
「にーさんあかいのなーい？」
「赤いの…？あ、ケチャップのことか？A、ケチャップ貰っていい？」
「うん。冷蔵庫からとってきてもらっていーよ」
ケチャップを持ってきたペイントを見て、
ロボロ君が必死に腕を伸ばす。
「おれ、おれかく！」
「はいはい。けど汚したら大変だから、一緒に書こうな」
しばらくして、オムライスの上にケチャップで書かれたのは、
ろぼろ、の文字。
「おれ、じ、かけるねん！」
「凄いねロボロ君！」
「ぺいんとが持ってやってたやん」
「そういうとこやぞらっだぁ」
それを見ていたゾム君が自分のオムライスに目を向ける。
しかし、半分以上食べ進められたオムライスの上にケチャップで何かを描くスペースは無く、
「お、おれも…かく…」
じわり、と涙を貯め込んだ。
「あ、ゾム君ゾム君！ぜひ、私のオムライスに何かケチャップで書いてほしいな」
すると、けろりと表情一転。
「しゃーないなぁ」と笑いながらケチャップをウキウキで持つゾム君。
やばい、私のオムライス、ケチャップまみれになりそう。
「明日も来て良い？」
「頭が高いぞらっでぃ」
「そういえば明日、外国語の課題提出日やったっけ」
「明日もぜひ食べにいらしてください。課題はお見せくださいらだお様」
「またやってる…」
らっだぁに頭を下げていると、つんつんとペイントに肩を叩かれた。
「弟くんにも構ってあげて」
すると、シッマがもそもそと身体を動かしながら、
静かにオムライスをジッと見つめていた。
なんという失態！！弟を寂しがらせるなんて姉失格！！！
「シッマ、一緒食べようか」
「ねーちゃ、おれ、」
オムライスの上のケチャップで描かれた絵を指しながら言う。
「わ！オムライスの上でも私とシッマは仲良しなんやね」
「…うん」
「絵も上手になったね」
「…いっしょ、たべたい」
きゅ、と袖を握られる。
私はゾム君によってケチャップまみれのオムライスを受け取り、
一緒に頂きますをした。
今日の夕飯は、特に美味しかった。
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のんたん(プロフ) - 主様の作品大好きです！すごい引き込まれるし面白くて大満足です！少し垣間見える闇がたまりません。のんびり待つので更新は主様のペースでお願いします！定期的に見に来て余韻に慕ってます！！ (10月15日 11時) (
レス) @page38 id: d906a8bcb0 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - え…これさ、夢主ちゃんの親、疑っていいやつ…？ (10月5日 18時) (レス) @page35 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 見てる途中に見れなくなってしまいました。パスワードの解除待ってます (8月22日 23時) (レス) @page8 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
リトマス紙 - 主様のこちらの作品最高すぎます…！！丁度今一気見させていただいたところなんですがなんとも言えない余韻に浸ってます…！！笑笑のんびり待つので主様もゆっくりご自分のペースで更新、頑張ってください！！好きです！！() (7月26日 5時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - ｸﾞｯﾌｯ(照れるemがすっげぇかわちぃ)(*´’Д’) : ;* : ;ｶﾊｯ (7月2日 16時) (レス) @page14 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
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