26. 証拠隠滅 ページ26
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テスト目前に控えたらっだぁ、ぺいんと、Aの高校生組。
しかし、同時期にテストで悩む小学生がここにいた。
「……26点はまずいよなぁ」
シャオロンは返却された漢字50問テストを見て震えていた。
点数は赤ペンでデカデカと26の数字。既に手遅れである。
母親にバレる前にと、点数だけ改ざんしようとしたが、
無理だった。変な落書きが付けたされただけだった。
「…よし。鬱、食え」
弟をまるでヤギのように扱うシャオロンは、
テスト用紙を鬱の口元へ持って行ったが、鬱はプイっとそっぽを向いた。
「なんで食わへんの?」
「おいしくない」
「お前…少し前まではトランプ食いよったくせに…」
絶たれていく証拠隠滅の策。
帰宅が遅い両親が来る前までに、この紙をどうにかしなければ。
燃やしてしまおうとして、ライターやチャッカマンがない事に気付き、
外に捨ててしまおうとして、近所の人にこの点数をみられるのが嫌だと思いとどまり、
部屋のどこに隠そうとして、隠し場所から毎回鬱が見つけてシャオロンのもとに届けたり。(鬱本人は遊んでいるつもり)
そんなこんなで、シャオロンは近所に住む頼り甲斐のあるおねえさんのもとへ。
ぴんぽーん、
「おれ、おれも…」
「とどく?よいしょ」
鬱がインターホンを押したいと背伸びしていたため、
シャオロンが必死に鬱を抱え上げてインターホンを押させる。
ぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽん
楽しそうに押している鬱。
シャオロンの腕が限界に近づいたとき、
扉の奥で、どたどたと足音が聞こえて、ドアが開いた。
「おー、シッマ」
「しゃおろん、だいせんせー」
「しま」
「ねーちゃんおらんの?」
「おるで!べんきょーちゅ!」
「あぁ…」
シャオロンに勉強の話はくるものがある。目を逸らしつつ、シッマに案内されながら姉の部屋へ通された。Aねーちゃんは、普段へらへら笑っているイメージがあるが、勉強中のときは顔つきが変わるんだなぁと思いながら、声をかけようとした。
「じゃま、すんな!」
「え。あかんの?」
「あとごふんしたら、おれとあそぶやくそくやねん!」
「あー…五分ね?」
じゃあ、他の部屋で遊んどこうかと小声でシッマと鬱にシャオロンは声をかけて、部屋を後にした。
(あと5分、5分でシッマと遊べる…!)
別の意味で集中力が続いていないAは、シャオロンの存在に気付かない。
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のんたん(プロフ) - 主様の作品大好きです!すごい引き込まれるし面白くて大満足です!少し垣間見える闇がたまりません。のんびり待つので更新は主様のペースでお願いします!定期的に見に来て余韻に慕ってます!! (10月15日 11時) (レス) @page38 id: d906a8bcb0 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - え…これさ、夢主ちゃんの親、疑っていいやつ…? (10月5日 18時) (レス) @page35 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 見てる途中に見れなくなってしまいました。パスワードの解除待ってます (8月22日 23時) (レス) @page8 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
リトマス紙 - 主様のこちらの作品最高すぎます…!!丁度今一気見させていただいたところなんですがなんとも言えない余韻に浸ってます…!!笑笑のんびり待つので主様もゆっくりご自分のペースで更新、頑張ってください!!好きです!!() (7月26日 5時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - グッフッ(照れるemがすっげぇかわちぃ)(*´’Д’) : ;* : ;カハッ (7月2日 16時) (レス) @page14 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
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