25. 寂しいこと ページ25
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勉強に集中していた私はそれに反応しなかったらしく、
何度かぺいんととらっだぁも私に声をかけたが、
同様に返事をしなかったらしい。
それを見かねて、らっだぁがシッマを抱え上げ、
私にシッマを押し付けてきた、今ここ。
「シッマ…」
「きらいやぁ、あそんでくれんの…いややぁ」
ぽろぽろ、と泣き始めるシッマに対して「ごめんね、ごめん」と何度も謝る。
”おかあさん、わたし、きょうねっ”
”ごめん、A。わたし、今から出掛けるから”
”おとうさん、みてみて!”
”今忙しいんだ。あとでにしてくれるか?”
シッマには寂しい思いさせないように決めてたのに。
「いたいの、ないない」
「ちゃうって。とんでけ、やで」
「ねーちゃん、ないとーの、やぁや」
「これ、あげる…。げんき、だしーや」
ぽんぽん、と鬱君が頭を撫でてくれる。
トントン君がおまじないをかけてくれる。
ロボロ君が一緒になって泣いてくれる。
ゾム君が小袋に入ったクッキーを一枚くれた。
「うぅ…」
ダメな姉でごめんね。
小さい子たちのお手本になれない自分で、
「うそついた…」
「しっま?」
「ねーちゃ、きらいやない!こーぐらい、すき!」
おてていっぱい広げてシッマが笑う。
また泣きそうになるのを堪えてから、「私も」と返した。
「良い話じゃん…。……、らっだぁ?」
「ん…?なに?」
「あ、いや。…やっぱなんでもない」
「ごめん、電話来たから出てくるわ」
席を立って、らっだぁが部屋から出ていく後姿を見ていたぺいんと。
「にーさん?」
「ろぼた」
「…だっこ」
手を広げて待つロボロを抱え上げる。
満足げなロボロに対して、不安げなぺいんとは、
らっだぁのことを考えていた。
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のんたん(プロフ) - 主様の作品大好きです!すごい引き込まれるし面白くて大満足です!少し垣間見える闇がたまりません。のんびり待つので更新は主様のペースでお願いします!定期的に見に来て余韻に慕ってます!! (10月15日 11時) (レス) @page38 id: d906a8bcb0 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - え…これさ、夢主ちゃんの親、疑っていいやつ…? (10月5日 18時) (レス) @page35 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 見てる途中に見れなくなってしまいました。パスワードの解除待ってます (8月22日 23時) (レス) @page8 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
リトマス紙 - 主様のこちらの作品最高すぎます…!!丁度今一気見させていただいたところなんですがなんとも言えない余韻に浸ってます…!!笑笑のんびり待つので主様もゆっくりご自分のペースで更新、頑張ってください!!好きです!!() (7月26日 5時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - グッフッ(照れるemがすっげぇかわちぃ)(*´’Д’) : ;* : ;カハッ (7月2日 16時) (レス) @page14 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
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