第九十二話 妖の誘うままに、仰せのままに ページ11
――そして。一週間の時が過ぎた。
[いやーーー。真逆本当にできちゃうとはねー。ごめんね圭吾さん、巻き込んじゃって。]
「いや、大丈夫だ。まぁ、何故かみゆきに拗ねられたけどな。
いつの間にあんなに零になついてたんだ…。」
わずか一週間という短い期間だったが、ナナシと東野の仲は、確かに深まっていた。
もちろん、零と東野の仲もだ。
『本当にね。小生とみゆきちゃん、まだ一回しか会ってないよ。
どこになつく要素があるのか。』
零は準備をしていた手を止め、東野とナナシのほうへ振り向いた。
口元には微かな微笑みが浮かんでいる。うれしいのだろう。
「確かにな。………………さて、もうそろそろ始まるぞ。準備はできたか?」
東野は時計を確認する。覚決め開始まで残り十分。
否、人生ゲームまであと十分といったほうがよいだろうか。
[今回の参加人数は六十八名。その中で、頭首候補第一位が零。
やっぱり現頭首の一人娘っていう立場はすごいね。]
『嗚呼。でも不信感を抱いている者は少なくない。
父さんと母さんを引きずり落とすような真似だからね。総会の連中はあれが秋さんじゃないと
知っている。二か月前からだね、なり替わってたのは。だから小生の神経を疑う。』
[え、あのヒステリックな人別人なの?!]
ナナシはぎょっとしたように目を見開いた。
無理もない。何故なら、以前つかみかかってきた者は自分が零の母親、つまり悟ヶ原秋だと思い込んでいるのだから。
協力者の異能者に頼み、記憶を書き換え、容姿を秋そのものに変えたのだ。
『嗚呼。本物は今頭首候補を選出してるんじゃないかい?始まる前の選出で、
多分二十名ほどに絞られる。』
「およそ三分の一にか…………選ばれなかった者は人生終了並みの気持ちだろうな。」
『だね。ま、知らせれないからいいけど。ま、今回の選択基準は投票式だ。知識量、戦闘技術、
判断能力。この三つが判定基準だね。妥協点はない。
合格基準を満たしているものの中で、一番優れている者が選出される。
だから、こうやって麻酔の弾丸が配布される。戦闘に使うように、とね。』
零は配布された弾丸を持ち、月夜に照らした。
それと同時に、館の時計が十二時を指した。
『それじゃ、行ってくるよ。』
覚決め、開始。残りーーーーーー候補は二十名。
――――NxstTim――――???
第九十三話 彼女の本心はどれ?→←第九十一話 巻き込まれた11文字の殺人
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三斗(トリップ願望者) - ええええええ!何でこんな此れから良い所☆みたいなとこで更新停止しそうになるかなああああああああああ‼‼‼作者さん!Please come buck‼‼‼‼‼ (2022年7月27日 14時) (レス) @page28 id: 50d700a5ed (このIDを非表示/違反報告)
吸血蝶(プロフ) - みゃうさん» ありがとうございます!諸事情により更新出来ていなかったのですが、これからは更新していきますのでよろしくお願いします!英語はもう諦めてまして……見逃してくださると幸いです。 (2019年7月27日 13時) (レス) id: 93dc29917b (このIDを非表示/違反報告)
みゃう - 吸血蝶さん、タイトルが気になって読んでみるとすごく面白かったです。・・・英語の勉強をしましょう? (2018年12月26日 13時) (レス) id: fa587dfb5c (このIDを非表示/違反報告)
吸血蝶(プロフ) - やみねこさん» ありがとうございます!!!最近は時間ができてきたので、多く更新できるよう頑張ります!!これからもよろしくお願いします! (2018年8月8日 13時) (レス) id: a5cd03074c (このIDを非表示/違反報告)
やみねこ - 百話おめでとうございます! (2018年8月7日 13時) (レス) id: 008d70804a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ