もう1人増えた ページ8
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一度思ってしまったからはもうダメだった。見れば見るほど「可愛い」が増して行き、心臓がドクドクと音を鳴らす。
___嗚呼、これがこの女の"病"か。
しかし困った。このまま本部に連れて行くのは本当に気が引けるのだ。彼女が気絶した状態で連れて行ったらどうなる?俺は柱に殺されるだろう。そう言う未来しか見えない。
「…仕方ない。」
俺の屋敷に一旦運ぶとしよう。これはしょうがなくの対応だ。決して冨岡とは同じにしないでほしい。
そして俺は彼女をおんぶし、自分の屋敷に向かった。
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「………ハッ!!!!」
…ここはどこだ?本部か?
それよりやらかした!やらかしている!
なんと言う醜態を蛇柱様に晒してしまったんだ私は…!!
担がれて、意識が遠のいて行ったのは覚えている。覚えているからこそ穴があったら埋まりたい。
「起きたか。」
そして蛇柱様が部屋に来て、私はすごい速さで土下座した。
「あ、あの本当にすみません。隊士でありながら蛇柱様に担いでもらって気絶するなんて…情けないですよね、すみません!」
「………情けなくはない。俺が貴様に気を使えなかっただけだ。そして貴様が謝る必要はないだろう。」
「…!なんて優しい言葉を…!ありがとうございます、蛇柱様!」
私が顔を上げて蛇柱様の方を見ると「……帰って良い。」とそっぽ向いて行ってしまった。
あれ?私、帰って良いの?
なんだか水柱様のときもそうだったけど、私は何故追われてるのか分からなくなった。拐われては解放される、なぜだ?
まあ、嬉しいことだ。本部で切腹するより全然嬉しい。私はそそくさと支度をして屋敷から出た。
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蛇柱が帰ってきた時の本部は騒がしかった。
「おい伊黒ォ、オメェもかかっただろ"病"ってのによォ!」
「あれ?あんなに言っといて伊黒さんもですか?」
「あの美しさを前にしたら我を失う!仕方のないことだ!」
「あの伊黒さんが恋ね…いいわね!キュンキュンするわ!」
「…フッ」
みんながみんな蛇柱を馬鹿にしたような口調で(炎柱を除く)喋るもんだから、蛇柱は木に頭をぶつけた。
「あんなに可愛いなんて聞いてない!」
…音柱は焦った。あの蛇柱が頭からも鼻からも血を出してそう叫んでるのだ。なんて滑稽な姿なのだろう。
しかし蛇柱も言わせてほしい。
優しいだとかなんとか言った後にあんな潤んでる上目遣いで見られたらそりゃあ帰したくもなる、と。
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Nami☆ - 面白かったです!冨岡さん推しなので、冨岡さんルートあって良かった!😄 (3月18日 9時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - ヤルネコさん» すみません汗!アンケートの結果5人のオチを書いて終わると言うことになりましたので、他のルートを書く予定はございません。本当にごめんなさい! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - ヤルネコさん» すみません汗!アンケートの結果5人のオチを書いて終わると言うことになりましたので、他のルートを書く予定はございません。本当にごめんなさい! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - トモさん» ありがとうございます!そう言っていただけるとかいてよかったなって心から思えます、ありがとうございます!!義勇さんに!嬉しいです!善逸のまで読んでくださるんですね汗本当に感謝でいっぱいです。これからもよろしくお願いします! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
ヤルネコ - 他のルートも、ぜひお願いします! (2020年4月8日 15時) (レス) id: ad493a3440 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬん | 作者ホームページ:http://urana
作成日時:2020年3月23日 14時