絶妙に知ってる乙女ゲーム新シリーズの住人になった件

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『そしてどこだここ…』

フラフラ歩き回って考えてたら人1人居ない建物の中にいた。
あれか、全体的に古いし旧校舎ってやつか。


にしても中途半端に記憶設定しないでくれ運営よ。自分はまあ物語に名前も出てこないような、顔も描かれないようなキャラクター(そうであってほしい)だとしても呼んだにしては記憶雑過ぎないか？？


『あっ生徒手帳。うーん知らない高校の名前。わーあ見事に私の顔写真じゃんもっと盛れよカメラ。

私は2年生なんだよねさっきの感じから？

じゃあここも知ってるはずだよな…？
急に私が身体に入ったから記憶が混乱してるとか…？』



そもそもゲームの造られた世界なので、既にあった世界に私がやって来て急にこの子の身体に入ってしまったのか、いわゆる異世界転生で急に前世とやらを思い出したのかまでは分からない。

親しい友人は居るみたいだし、私の名前をちゃんと呼んでた。

急に何も持たずにトリップした、とかじゃ無さそうだから衣食住もちゃんと私の持ち物としてありそうだな。
となると大体の情報は思い出してくるのだろうか？



『とりあえず家の位置を思い出すまではここでゆっくりしよう…』

新入生も入学式と案内は終わったはずだし上級生ももう下校の雰囲気だったしこんな学校の外れ(多分旧校舎。学園モノあるある設定)に人は来ないだろう。

そうだスマホ。ここの自分のスマホを見れば何か色々情報があるのでは？
よし、パスコードは覚えてる。







「あの…」

『！』


しゃがみこんで荷物を横に置いて、いざスマホを操作しようとしたところで誰かに呼びかけられた。

あれ、ひょっとして何かのフラグか？



「だ、大丈夫ですか…？」


『ひょええ』



美少女が来た。

確信した。


これが主人公、ヒロインだ…！





「も、もしかして上級生の方ですか…？私、新入生なんですけど迷っちゃって…！」

『奇遇ですね、私も迷っちゃって…どこだろうねここ』

「えっ」

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