一歩進んで半歩戻る僕ら

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jn「あっ、Aさんは中国行ったことあります？」

『いいえ。海外に出たことなくて』

話は変わって彼の故郷の話になった。

海外か。韓国でもせいぜい済州島とかしか遠出した事ないなあ。
いや、決して一緒に行く友人が居ないとかではなくてな？


jn「すっごく広いからどこに行ってもずっと新鮮かもしれないですね！僕の故郷と子役の時居た場所でもご飯とか訛りとか結構違ってて。
あ、辛いもの好きならAさんきっと四川が合いますよ。料理ぜーんぶ辛いんです！僕が好きなのはねえ、」


今日も良く喋るなあジュンさん。


ジュンさんの話を聞くのは楽しい。
話が全部面白いとかじゃないし時々同じ話を延々して回る時があるけれど。

彼の声からその時感じた気持ちが伝わってきて楽しい。
合わせてコロコロと変わる声色も。


自分はたまに相槌を打って質問が来れば簡潔に返す。
話は基本ジュンさんが広げてくれるし。
時々寝てないか確認されるけど。生存確認。




私は一人の時間は割と静かに過ごして落ち着きたい方の人間だ。
家にいる時はポップな曲よりバラードを聴くし寝る前はぼーっとしながら静かに寝転ぶのが好きだ。



ジュンさんとのこの時間は騒がしいとは言わないけれど、決して大人しい時間でもない。

けれど不思議と悪くないな、と思う。

寝る前なのに元気だなあ、明日も楽しく過ごして欲しいなと。こっちまで明日の為のパワーを貰える気がするのだ。

ふわふわと浮くような少し甘めの声と喋り方も心地が良い。

電話を着る時の眠たげで、でも少し寂しそうな低くなる声もしょんぼりした顔が浮かんで愛らしいと思ってしまう。




ベッドで仰向けの状態からうつ伏せになって声の聞こえるスマホを手繰り寄せる。
明日のアラームとスケジュール確認をしなければ。





明日は会議が1つと提出期限日の書類回収をして、それで……。



『……、』










jn「…それでその時ヒョンが……あれ？Aさん？おーい、ヨボセヨ？



……寝ちゃいましたか？

お疲れだったんですね…最近僕ら以上にAさん忙しそうで中々会えませんでしたもんね。



んふふ、寝息聞こえる…かわいい…。
これはジョンハニヒョンも知らない声ですよね、きっと。






おやすみなさいAさん。

我愛你、祝你做个好梦。」

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